代表幹事コメント

APEC観光大臣会合「奈良宣言」の採択について

2010.09.23update

社団法人 関西経済同友会
代表幹事 大竹 伸一

観光産業は、新たに大規模な投資を必要としない極めて経済効果の高い分野である。アジア太平洋域内が一丸となり、観光産業の活性化や雇用創出に向けた戦略計画策定など相互協力の推進が合意されたことは、大いに歓迎すべきことである。また、「成長のエンジンとしての観光」の実現に向け、観光産業の貢献度を測る仕組みが盛り込まれたことは評価できる。域内の観光産業の更なる推進に向けて、中国、タイ、マレーシアなどに対して、訪日観光ビザを免除することにより、観光ワン・マーケットを創造していくべきである。また、医療観光の拡大に向けては、我が国における外国医師免許での診療や医療機関の宣伝広告などに関する規制緩和を進め、更には、スポーツなど他分野との融合による新しく多様な観光の再発見が欠かせない。これを機にアジア太平洋自由貿易圏の実現に向け、はずみをつけて欲しい。なお、尖閣諸島沖の衝突事件により、日中関係に緊張感が高まっているが、このような状況を乗り越えるためにも、両国間の観光推進を図り、国民レベルでの交流を進め、日中の友好関係の構築につなげるべきである。

以上