2025年度与党税制改正大綱決定について
2024.12.20update
- 2025年度与党税制改正大綱が示された。「失われた30年」の間、DXなどの変化を取り込み、経済成長を遂げた国がある一方、我が国は既存事業におけるコストカット経営から脱却できず、名目平均給与はG7中最下位、GDPは世界第4位まで低下した。我が国には、少子・高齢化と人口減少を前提とした国づくり、大国間の対立の中での経済安全保障・サプライチェーンの再構築など、課題は山積している。限られた財源は、現状維持を是とすることなく、我が国の成長を促し、環境の変化への対応力強化に資する取り組みに対してこそ厚く配分すべきである。
- 今回の税制改正大綱では、企業の国内投資拡大や賃金引き上げを後押しする取り組みがもりこまれている。エネルギー・鉱物などの安定供給に資する税控除、資源循環を促す設備投資、さらなる成長を目指す中小企業を対象にした税負担の軽減など、成長と変化を促す改正として歓迎する。 子育て世帯を対象とした住宅ローン減税の延長など、若者が子育てをしやすい環境をつくる制度として評価する。 地域経済の好循環を促進し、生産性を高める設備やデジタル化への投資を支援する制度、地方公共団体が重点支援する産業分野への後押しについて拡充する方針も示された。東京一極集中を是正し、分散型社会の実現を図る取り組みとして期待する。
- 政府・与党におかれては、中長期的な視点で、日本の成長と変化を見据えた財政議論を更に進めていただきたい。
以上
一般社団法人 関西経済同友会
代表幹事 宮部 義幸