代表幹事コメント

2022年度与党税制改正大綱決定について

2021.12.10update

一般社団法人 関西経済同友会
代表幹事 古市 健

  • 本日、与党は2022年度税制改正大綱を決定した。
  • 岸田政権が掲げる「成長と分配の好循環」の実現には、企業自らが持続的に賃上げできる環境整備が必要であり、生産性向上やビジネスモデルの転換など、企業の成長に対する支援が重要となる。
  • 企業が苛烈化する国際競争に打ち勝ち「成長」し続けるには、イノベーションが不可欠だ。既存企業とベンチャー企業の連携を促し、革新的な技術やサービスの開発を税制面からも後押しする必要があり、「オープンイノベーション促進税制」の延長・要件緩和の決定を評価する。また、デジタル化推進に向けた支援として、「高速通信規格5G投資促進税制」が延長されることも評価したい。企業を取り巻く環境変化も踏まえ、企業はこうした支援も活用し、将来に向けたイノベーションや人材への投資を積極的に進めるべきである。
  • また、企業が成長し収益を上げることができれば、「企業の賃上げを促す優遇税制」の拡充が従業員への「分配」に対するより効果的な支援となる。それが消費拡大に結び付くことで、政権の掲げる「好循環」に繋がることを期待したい。
  • 一方、足元のコロナ対策のために大型の経済対策によって財政支出が拡大しているが、中長期的な視点も忘れてはならない。我が国の公的債務残高は1200兆円を超える危機的水準にあり、財政再建に本気で向き合わなければならない状況にある。将来を担う次世代にツケを回さないために、税制を含めた財政健全化について、聖域を設けずに議論を進めることが不可欠だ。

以上