骨太の方針・新成長戦略の閣議決定について
2015.06.30update
本日、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(「骨太の方針2015」)と「『日本再興戦略』改訂2015」が閣議決定された。
まず、財政健全化に向けては、2017年4月の消費税率10%への引き上げの明確化や、財政健全化計画における2018年度の一般歳出の抑制額の目安設定などが盛り込まれたものの、支出の削減額が明記されないなど、総じてみれば踏込不足の感は否めない。特に社会保障制度改革は「待った無し」であり、抜本的な歳出削減策の実行を急ぐべきである。また、10%超への消費税率の引き上げについての議論も避けるべきではない。
次に、成長戦略では、様々な施策が示されたが、それらが効果を発揮するためには、優先順位をつけ、スピード感をもって取組を進めることが不可欠である。とりわけ、国家戦略特区を活用した岩盤規制の打破と新産業の創出は喫緊の課題であり、医療関係の規制緩和・体制整備等への特区活用を強く求めたい。また、観光戦略の強化の観点からは、統合型リゾート推進法案を早期に成立させるべきである。
わが国は既に本格的な人口減少社会に突入しており、次世代へ禍根を残さぬためにも、アベノミクスの第三の矢である成長戦略と、当会が第四の矢と呼ぶ財政再建はここが正念場である。今後、国会での審議においては、経済成長と財政再建の両立に向けて、課題が先送りされることのないよう、十分に留意して頂きたい。
以上
一般社団法人 関西経済同友会
代表幹事 蔭山 秀一