菅 改造内閣の発足について
2011.01.14update
今回の改造内閣の閣僚と民主党の要職は小規模な変更にとどまったが、新内閣には、国民が安心して生活できる社会の実現のために全力を傾注し、目に見える成果を挙げて頂きたい。
菅首相は、TPP交渉への参加をはじめとした「平成の開国」と、社会保障と消費税を含む税制の抜本改革について、6月目途の方針決定を表明している。今回の内閣改造は、これらの実現へ向けた首相の決意の表れと、期待をもって今後の進捗を注視していきたい。いずれも、歴代政権が先送りしてきた難題だが、わが国を覆う閉塞感打破のためには避けて通れない。これらに加え、成長戦略の実行や地域主権の実現、外交・安全保障問題など、国内外に山積している重要課題にも、同様に取り組んで頂きたい。
国民生活に多大な影響を与える来年度予算や重要法案などについては、与野党でよく内容を吟味することが必要である。次の通常国会は衆参ねじれの状態が続いているが、与野党とも党利党略に明け暮れることなく、現下の難局に大局的な見地に立って臨んで頂きたい。特に野党は、国会審議において反対ありきの姿勢で臨むのではなく、政治の停滞がわが国の一層の地盤沈下をもたらすという危機感を与党と共有し、国益を見据えた政策論争を行って頂くことを強く期待する。
以上
社団法人 関西経済同友会
代表幹事 山中 諄