代表幹事コメント

経済対策の閣議決定について

2010.09.10update

社団法人 関西経済同友会
代表幹事 山中 諄

本日、政府が経済対策の閣議決定を行った。今回の措置は、リーマンショック後の急激な落ち込みから漸く立ち直りつつあったわが国経済が、急速な円高・株安により、再び落ち込むことに対する危機感を踏まえたものであり、先般決定された日銀の追加金融緩和策と相俟って、難局に臨む姿勢を示したことは評価できる。経済対策に盛り込まれた内容に関しては、即効性は必ずしも期待できないものの、経済政策の面でこれまで動きの鈍かった民主党政権が規制改革や国内投資促進に関して、動き出したことについても歓迎したい。政府には、当面の対策に留まらず、長期的な視点で、規制改革の推進、法人税率の引き下げを始めとした税制の抜本改革、主要国とのEPA・FTA締結促進など、日本経済の成長の担い手である企業が国内において生産活動を継続し、雇用を守っていくための具体的な基盤づくりを是非とも進めてほしい。その結果、為替、株式市場などの短期的な動きに影響を受けづらい足腰の強い経済を再構築することが求められている。民主党は現在代表選挙活動中で、代表決定後も党内がまとまるか危惧される。予算編成や厳しい経済情勢への対応など、国内外に重要な課題が山積している現状に鑑みれば、今後民主党には、政局よりも政策、国政に重きを置いた、政権与党として責任のある行動が求められる。

以上