環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉への参加について
2011.11.12update
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を直前に控えた本日、野田首相が環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉に参加することを表明した。TPP協定交渉への参加は、FTA/EPAへの取り組みの遅れを取り戻すためにも当然の決断である。ただし、党内融和のために参加表明を一日先送りしたことは遺憾であり、指導力を発揮すべきであった。
本日の参加表明はTPP協定交渉の入り口に立っただけである。今後の各国との交渉こそが重要であり、アジア太平洋地域の貿易・投資ルール作りなどをリードすべきである。政府は、国益にかなった交渉を粘り強く行っていただきたい。
野田首相は国民に対し、協定交渉参加に対する自らの信念を丁寧に説明する責任がある。一方で国民はTPPを自らのことと捉え、自分の国の方向性を自ら定めるという意識を一人一人がもつべきである。
農業分野を中心にTPP協定交渉への参加が、日本にとってマイナスという意見もでている。しかし、当然のことながら農業についても、競争力のある強い産業に育てるという気構えをもってTPP交渉にあたらねばならない。
政府はTPP実現を国家の成長戦略の要にし、低成長経済から脱却するためにアジアの経済成長を取り込み、世界に今一度「日本の復興」をアピールしていただきたい。
以上
社団法人 関西経済同友会
代表幹事 大林 剛郎