消費税増税関連法案の閣議決定について
2012.03.30update
消費税増税関連法案が閣議決定されたことを評価する。政府・与野党には、この問題を政争の具とすることなく、速やかに法案を成立させるとともに、中長期的な税制全般の改革に向けたロードマップを早期に提示することを求める。
今後、法案の成立までには国会での紆余曲折が予想される。本案成立には、国会議員の定数削減や公務員人件費の削減など自ら身を削り、国民の理解を得ることが不可欠である。
この閣議決定は、プライマリーバランスの早期黒字化の第一歩である。あわせて、社会保障給付に大胆に切り込み、給付水準維持よりも持続性のある社会保障制度を確立することにより給付・歳出の削減を実施し、一体改革につなげるべきである。
歳入増のためには、単に税率を引き上げるだけでなく、成長戦略の早期見直しと大胆な規制改革・規制緩和により、経済成長を促すことが必要である。
また、税率引き上げに伴う消費落ち込みを軽減するためには、増税分の一部を成長戦略に投資する等の施策も考えられる。
財政再建の重要性は、以前から指摘されてきたにもかかわらず、問題を先送りした結果、事態が深刻化している。このまま手をこまねいていると国家の破綻を招きかねない。われわれは、欧州の債務危機が他人事ではないことを肝に銘じるべきである。
以上
社団法人 関西経済同友会
代表幹事 大林 剛郎