本日閣議決定された経済対策について
2016.08.02update
本日、政府は事業規模で総額28兆円を上回る経済対策を閣議決定した。
財政健全化への道筋が明らかでない中、経済対策を打つのであれば、次世代の負担とならないよう、バラマキを排し、復興・防災対策や真に必要なインフラ整備等に投資を限定すべきである。
今回の経済対策のキーワードは「未来への投資」であり、この考え方は評価できる。また、リニア中央新幹線の大阪延伸の前倒し等は、次世代のことを考えた政策であり、このキーワードに沿ったものと考えられる。その際、「未来への投資」の名を借りた無関係・不必要な公共事業が行われないようにすべきである。
一方で、低所得者向けの給付金の2年半の延長や、プレミアム付旅行券・ 商品券の将来的な実施等の政策は、一時的な景気下支え効果はあるものの、 持続的な成長を促す「未来への投資」とは言い難い面がある。低所得者対策の重要性は否定しないが、バラマキとならないよう、留意すべきである。
経済の持続的な成長には、政府支出だけでは力不足で、民間投資の拡大が不可欠である。AI等の技術革新、シェアリングエコノミー等の新しいビジネスモデルへの企業の関心が高まるなか、政府におかれては、新ビジネスの障害となっている規制を撤廃する等、民間の投資意欲を刺激する政策を進めて頂きたい。
以上
一般社団法人 関西経済同友会
代表幹事 蔭山 秀一