新型コロナウイルス - 緊急事態宣言の延長に関して
2021.08.17update
- 本日、政府は、大阪府を含む6都府県に対する緊急事態宣言の延長と、新たに京都府・兵庫県を含む7府県への緊急事態宣言の発令を決定した。より感染力の強い変異株の影響などもあり、感染が急拡大し、医療現場の逼迫度は増大している。これらを踏まえると、今回の宣言延長および対象地域拡大の決定はやむを得ない。但し、7月以降の緊急事態宣言発出後も感染拡大に歯止めが掛かっておらず、現状の延長線上での対応のままでは、新たな期限の9月12日での解除も残念ながら困難な状況と言わざるを得ない。
- 足下では病床使用率が急上昇し、本来入院すべき多くの感染者が自宅療養を余儀なくされている。また、医療現場でのコロナ対応が逼迫する中、通常医療へのしわ寄せも発生しており、医療提供体制は極めて深刻な状況にある。
- 政府・自治体には、短期と中長期の両面での対策を並行して検討頂きたい。まず、足元では自宅療養者のフォローは不可欠であり、症状急変時の入院までの緊急対応として、酸素投与などを行いながら待機させる療養施設の設置を進めるなどあらゆる手立てを講じて欲しい。併せて、中等症以上の感染者が適切な医療提供を受けられるよう病床確保にも努めて頂きたい。中長期的視点に立って、緊急時に必要な医療資源を確保できる仕組みづくりも早急に検討すべきである。また、若者層でも重症化例が発生しており、若者のワクチン接種推進に向けたインセンティブも含めた方策も検討して欲しい。
- 新型コロナウイルスの発生から既に1年半以上が経過した。これまで緊急事態宣言の発令・解除・延長を繰り返してきたが、国民の自粛に依拠した感染症対策は、限界を迎えた感がある。政府には、現状を直視し、これまでの対策を科学的な観点から総括し、何を改め、次に何を行うのかを明示して頂きたい。危機的状況の中で、リーダーシップが発揮されることを期待する。
- 経済界としても、引き続き感染防止対策の徹底、テレワーク・時差出勤の継続など、出来ることは全て実行し、政府・自治体と一体となってこの難局を乗り越えていきたい。
以上
一般社団法人 関西経済同友会
代 表 幹 事 古市 健