大飯原子力発電所の停止について
2013.09.15update
本日、9月2日の大飯原子力発電所3号機に続いて、大飯原子力発電所4号機が定期検査のため停止した。唯一稼働を続けてきた大飯原子力発電所が停止した結果、国内の稼働原発は再びゼロとなった。結果として、従来から電力供給における原子力発電の比率が高い関西の電力需給状況は、冬場を迎えるにつれ、一層厳しい状態を迎える公算が大きい。
関西企業はこれまで、省エネの徹底は勿論のこと、夜間、休日への操業変更をはじめ、様々な形で協力を実施してきている。しかし、企業ができうる対策には限りがあり、これ以上の負担を強いることは困難である。
政府は、現在の異常な電力需給状況が、中堅・中小企業の比率が高い関西経済に与える影響を今一度、再認識し、原子力規制委員会の審査体制の更なる強化や、審査方法の効率化などから、審査期間の短縮に努めるとともに、安全が確保された原発の一日も早い再稼働に向けて、早急に取組を進めていただきたい。
一方で、より重要なことは、中長期的な視点に立った総合的なエネルギー政策の策定である。政府は、年内の取り纏めに向け、エネルギー基本計画の見直しを進めているが、見直しにあたっては、わが国の国情や地域経済の実情、専門家や事業者の意見も踏まえて、現実的かつ合理的な議論を重ねた上で、日本経済の持続的な成長に資する、低廉で安定的な電力供給が可能となるような政策を策定することが不可欠である。
以上
一般社団法人 関西経済同友会
代表幹事 加藤 貞男