参議院選挙の結果について
2013.07.21update
自民・公明両党の圧勝により、「ねじれ」が解消し、政治基盤が安定したことを歓迎したい。与野党は、今度こそ政争に走るのではなく、日本の未来のために、中長期的な視点で、地に足のついた議論を進め、政策を着実に実行に移していただきたい。
投票率が低かったことは極めて残念だ。今回、初のネット選挙が話題となったが、若者の政治参加を促すための新しい取り組みは今後とも続けるべきである。
アベノミクスの真価が問われるのは、まさにこれからだ。円安・株価上昇による経済好転の気運を、実体経済の成長にどうつなげるか。失われた20年の痛手は大きい。規制だらけの特区では意味をなさない。特区内の税率ゼロや、許認可手続きの簡略化など、真に企業の活力を呼び起こす「異次元の規制改革」をはじめ、設備投資・研究開発投資の拡大や雇用の増加に結びつく中長期を見据えた大胆な成長戦略を早期に打ち出してほしい。
さらに、東日本大震災からの復興、消費税引き上げ、TPP交渉、社会保障制度改革、エネルギー政策、安全保障・外交政策、環境問題など、国の行く末を決める重要課題も山積している。与野党とも、この十数年繰り返された政争やポピュリズムに走ることなく、真に日本の将来を思い、国益に叶う政策の実現を強く望む。
以上
一般社団法人 関西経済同友会
代表幹事 鳥井 信吾