働き方改革関連法案の成立について
2018.06.29update
▼今般の働き方改革関連法案の成立は、我が国の労働市場改革の「第一歩」である。
▼「高度プロフェッショナル制度」が創設されたことを評価する。同制度は、専門的な職種の労働者に対して「時間」ではなく「成果」で評価することを可能にし、柔軟な働き方の実現と生産性の向上に寄与すると考える。労働強化に繋がるとの指摘もあるが、健康管理措置及び離脱可能措置により、一定の労働者保護が図られたと考える。
▼一方で、国際比較において低い、我が国の生産性の向上が求められる中、「裁量労働制の対象範囲拡大」の成立が見送られたことは遺憾である。働き手が自身のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を選択でき、更なる労働生産性向上に繋がる仕組みを構築すべく、議論が継続されることを求める。
▼働き方改革の本来の目的は、長時間労働の是正や効率化にとどまらず、働き手が、時間や場所などに縛られることなく、自ら望む働き方を実践するなかで、新しい付加価値を生み出せる環境を整えていくことにある。経済界としても、この度の法案成立をもって議論が収束に向かうことがないよう、時代に即した働き方改革・労働市場改革に向け、世界の動向も見据えつつ、引き続き議論を深めていく。
以上
代表幹事 池 田 博 之