デジタル庁発足にあたって

• 本日、「国全体のデジタル化を主導する」役割を担う、デジタル庁が発足した。検討開始から約１年という異例の速さで設置されたことは、コロナ禍で浮き彫りとなった我が国のデジタル化の遅れに対する、政府の真摯な反省、そして、反転に向けた強い決意の表れだろう。
• デジタル庁の真価が問われるのはこれからだ。これまでのように、掛け声や箱作りだけで終わらせてはならない。行政府のデジタル化・横串連携など狭義のeガバメントにとどまらず、立法府・司法府・地方自治体・民間企業を含めた、国全体の「ＯＳ入れ替え」の司令塔として、同庁が強いリーダーシップを発揮していくことを大いに期待する。政府・国会においても、「先ず隗より始めよ」で、自らのデジタル改革を実践して頂きたい。
• 求められているのは、従来の業務・仕組みの延長線でのデジタル化ではない。制度・慣習・組織のあり方を含め、国全体のあらゆる仕組みを刷新するという、高度な課題への挑戦だ。失敗や批判を恐れない、果敢な取り組みを期待する。同時に、政策決定過程の透明性確保とオープンな議論による英知の結集を欠くことがないようにして頂きたい。

以上