「成長戦略」「骨太の方針」閣議決定について
2013.06.14update
安倍首相は政権発足以降、「異次元の金融緩和」「財政出動」、そして「3本目の矢」である今回の「成長戦略」、中長期の経済財政運営方針である「骨太の方針」と、矢継ぎ早に経済・財政政策を打ち出した。安倍首相の強い意思とリーダーシップで、市場の期待を生み、日本全体に経済の上昇気運が高まったことを大いに評価したい。
今後、政府には、民間が活力を発揮できるように、産業や技術開発の現場情報をしっかりと収集し、各政策を真に日本経済にとって有効なものに落とし込んで頂きたい。中でも最重要なのは、「異次元の規制改革」に踏み込み、特に課題解決に障害となる「縦割り行政」の組織構造を打破し、PDCAサイクルがまわるような機動的な組織運営を構築することである。また、法人税減税や特区活用のより詳細な具体策など、今回見送りとなった政策は次の第2弾に盛り込み、実体経済の成長を牽引して頂きたい。
4本目の矢である財政再建も喫緊の課題である。財政再建が失敗すると、日本経済は失速する。経済成長と財政再建の両立という、矛盾をはらんだ日本の現状を踏まえて、政府は薄氷を踏む慎重さをもって、これらの政策実現に果断に取り組んでほしい。
所謂「失われた20年」の間、眠っていた経済は、一筋縄では動かない。しかし、今回の政府の政策が経済成長への起爆剤となるよう、これからは企業側の出番であり責任であることを強く自覚すべきだ。経済界も、これを機会として経営革新を断行し、国際競争力を強化する自覚と責任を持たなければならない。
以上
一般社団法人 関西経済同友会
代表幹事 鳥井 信吾