価値創造型DXを推進するために、DX阻害要因を戒めよ
~真の課題認識とDX理解から革新をスタートさせる~
関西経済同友会DX戦略委員会(委員長=藤川博章 博報堂 常務執行役員 関西支社長)は、提言「価値創造型DXを推進するために、DX阻害要因を戒めよ~真の課題認識とDX理解から革新をスタートさせる~」を取り纏めました。
1.日本企業のDXにおける現状と目指すべき姿
デジタル技術は年々進化を遂げ、デジタル化が急速に進展し、ビジネスが変容。
→本質的な成功のためには「目的」を明確にし、D(デジタル)を「手段、ツール」として利活用し、X(トランスフォーメーション)によって価値創造を目指すべき。
2.DXの本質とは ~今一度、D<Xへの意識改革とアクションを~
⑴DXの定義
①DXとは
■Digitization
…アナログ・物理データのデジタルデータ化。主にデジタル技術やサービスの導入を指す。
■Digitalization
…個別の業務・製造プロセスのデジタル化。業務および製造プロセスの効率化が主目的。
■Digital Transformation
…「顧客起点の価値創出」のための事業やビジネスモデルの変革。
②DX実現に必要な考え方 ~「とりあえずデジタル化」に陥らないためには~
・DXを検討する段階では、手段・ツールを取り入れることに終始しがち。
目的から考えないとDXという変革には辿りつくことはできない。
WhyとWhatを定めることで、Howが明確になる。
Why=ビジョンとなる目的、ミッション
What=商品・サービス、人材
How=具体的な取組内容
③価値創造型DXとは
・本委員会が活動当初から提唱しているDXの本質。
『新しい生活様式に即した顧客、企業、社会にとっての感動・満足・課題解決を追求すること』であり、その取り組みにはデジタルの戦略的な利活用が有効であり、速度をあげる。
⑵DXの要諦 ~価値創造とは~
①価値創造は顧客価値を考えることから始め、ビジネス変革を成すべき
②価値創造のための「つながり」のスキームを考える
③価値創造を統合推進するのがCDO。CDOの人事への関与を高めて加速
④価値創造起点でDX戦略を策定し、新たなビジネスモデルを創出せよ
3.DXの阻害要因 ~それでもDXが進まないのは何故か?~
【日本特有の現状満足感からくる問題意識の低さ】
【モノづくりレガシーの重荷】
【失敗を許容できない組織文化】
【デジタル人材不足という幻想】
【DXという言葉への理解のブレ】
4.【提言】
提言1.DXの本質を理解し、意識変革からアクションプランの実行へ
(1)DXの本質理解、価値創造のために
① 現状を知る、環境変化を知る
② 効率追求型から価値創造型への発想転換
③ DXは全社一丸となっての取り組みである
(2)手段のDXから「価値創造型DX」へのアクションプランの実践を
① ビジネスモデルの再定義(もしくは新しい事業パーパスの策定)が必要
② DXシナリオ、中期・長期のロードマップの策定
③ DX推進人材の育成、体制構築、権限委譲
提言2.DXの阻害要因を戒め、価値創造型DXのスタートラインに立つべき
(1)価値創造型DXの実現には阻害する要因を取り除くことが最重要の課題(=ゼロスタート)
(2)『DX阻害要因戒めカード』を有効活用し、一丸となって取り組むべき
◆DX阻害要因戒めカード
(ページ下部よりPDFダウンロードいただけます)
以上
一般社団法人関西経済同友会
DX戦略委員会