2010 年度予算を地域主権実現の第一歩に
2009.12.08update
全国経済同友会は本年5月に意見書を発表し、地域主権の確立に向けて、地方分権改革の徹底と道州制導入による現行の都道府県を超えた広域行政のあり方を提言した。中央集権体制を改め、各行政主体が自らの責任と財源に基づいて政策を実施する地域主権型社会を実現しなければならない。
「地域主権国家」への転換を掲げる鳩山内閣に対し、我々は期待と同時に不安を抱いている。マニフェストに税源移譲や広域行政に対する考え方が示されておらず、鳩山内閣の考える地域主権の全体像は不明確なままである。それにもかかわらず、自治体を実施主体とする生活重視の政策を盛り込んだ予算が編成されようとしている点を危惧する。
したがって、我々は新設された地域主権戦略会議に対し、道州制等の広域行政のあり方を含め、国と地方の役割分担を明確にした「地域主権国家」の全体像を早急に提示するよう求める。その上で、地方分権改革推進委員会の勧告の精神を真摯に受け止め、国と地方の協議の場の法制化や法律・政令等による義務付け・枠付けの見直し、大幅な権限移譲とそれに伴う税源移譲を推進していただきたい。
2010年度予算は鳩山内閣にとって最初の予算であり、地域主権実現に向けた第一歩と位置付けるべきである。国と地方自治体が自らの責任と財源の下で役割を担うという地域主権の理念に沿った予算編成を進めるべきであり、我々は下記の点に留意することを求める。
2009年12月8日
全国経済同友会地方行財政改革推進会議
共同議長 芦塚 日出美
桜井 正光
中野 健二郎