関西での首都機能バックアップ構造の構築に関する意見
わが国の中枢機能は首都圏に一極集中しており、ひとたび非常事態が生じた場合、機 能麻痺に陥ることになる。このため、首都にいかなる事態が発生しても、首都中枢機能 が継続できるよう、皇室の安心・安全や政治、外交、行政、経済等の機能について、平 時から地方に機能・権限を分散することも含め、必要な措置を講じておくことが国家の 危機管理として急務である。
中央防災会議防災対策推進検討会議は、最終報告において、首都直下地震等の大規模 災害を意識し、災害対策の充実・強化を図るという方向を示し、その重点的取り組み事 項として、政府全体としての業務継続体制の構築や、各府省における東京圏内での業務 継続が困難な場合に備えた東京圏外(大阪等)の代替拠点の確保などをあげている。
しかしながら、国における検討は、これまで関西広域連合と関西経済界が提案してき た内容がまだ十分に反映されておらず、国土全体を視野に入れたバックアップ構造構築 に関する早急な検討及び対策を積極的に進めるべきである。
大阪をはじめとする関西は、首都圏と同時被災せず、京都御所があること、既に国の 地方支分部局が集積していること、首都圏や国内外との交通輸送手段や情報通信機能が 充実していること、外交を担う機関、日本銀行、企業本社や報道機関等の民間中枢機関、 大学・研究機関の充実や知の集積が図られていること、関西広域連合をはじめ、官民あ げての積極的な協力、応援体制が得られることなど、バックアップ機能を担ううえで最 適な都市圏である。
これらの関西の優位性を生かした首都機能バックアップ構造の構築について、関西広 域連合と関西経済界が連携して改めて、下記のとおり意見を提出する。
平成25年2月13日
関西広域連合
関西経済連合会
京都商工会議所
大阪商工会議所
神戸商工会議所
堺商工会議所
関西経済同友会