緊急提言とアピール「大阪都心の再生により関西圏,日本の活性化を」
2001.11.01update
我が国は廃墟と化した国土から、国民の活力を結集し目標とする工業社会を実現すること により、世界有数の物質的に豊かな国づくりに成功した。しかし、21世紀の発展を牽引す る都市型社会の構築においては先進諸国の中では立ち遅れが目立つ。とりわけ、より高い経 済波及効果の見込まれる都市基盤整備への投資の不足が、内需不足による経済低迷の一因に もなっている。
国土の均衡ある発展がほぼ実現した現在、これからますます激しくなる国際的な都市間競 争を視野に入れ、いま疲弊している中枢都市、なかんずく都心の再活性化を新たな視点から 促進することが重要である。それには、都心から規制を取り除き、国内はもとより世界の資 力と叡知を取り込み、そのポテンシャルの最大限の活用に投資や財政措置を促すことが緊急 の課題である。
国際競争力のある世界都市大阪を実現するためには、大阪都心を魅力あるものに再生する ことが不可欠である。そしてその大阪都心の再生は京阪神地域・関西圏、日本の活性化につ ながる。
大阪都心の再生への取り組みにおいては、まず大阪府と大阪市が一体となること、行政と 民間が実際的に連携すること、地域のアイデンティティを見直すこと、そして国際都市大阪 の具体像を明確にし、その実現へ向けての方向性を一つに束ねることが早急に求められてい る。
経済の活性化と生活の充実が両立する、先進国の都市部にふさわしい、大阪都心の再生に 真剣に取り組むことが、今こそ求められている。
2001年11月
社団法人 関西経済同友会
大阪活性化委員会