経営TOPの考えの浸透がカギ
-強い中堅企業をつくる4つの条件-
関西経済同友会中堅企業委員会では、グローバル化の進展に伴い中堅・中小企業にも、国際競争力が求められる環境変化の中で、企業が生き残り、さらに発展を目指すための方策について2年間、検討を行ってきた。
本委員会のメンバーは、業種や企業規模など様々であり、それぞれの企業が直面する問題も異なるが、1年目の委員会活動の議論の中から出てきたキーワードは、「人を確保したうえでどう育てていくか」、「社員のモチベーションアップの重要性」、「経営TOPの経営方針や考え方が重要」、「経営者の考え方を社内に浸透させている企業が強い」というものであった。
このような問題意識を踏まえ、2年目は、どんな企業であっても日々直面し、改善に努めている、経営TOPのリーダーシップのあり方と人材確保・人材育成という問題に焦点をあて、企業経営者として何をすべきかについて議論を重ねた。そして、今回、委員会活動として行った工場見学や講演会、委員会メンバーへのヒアリングなどを通して聞いた企業経営者の生の声を4つのポイントに分けてアピールという形にとりまとめた。中堅企業は、大企業と比べるとヒト・モノ・カネの経営資源に乏しいが、その一方で、経営TOPと社員の距離が近いので、決断のスピードが速くなり、経営TOPの考え方を社内に徹底させることができ、社員一人ひとりが能力を発揮して働きやすいというメリットがある。そして、アピールでは、その強みを活かすために、経営TOPが社員の心をつかみ、社員が満足して働くことで、少人数の社員であっても、この変化の時代に企業が成長していくための4つのポイントを提案している。
企業は業種、規模はもとより、その企業が生まれ発展してきた歴史など様々である。企業経営に絶対的な法則などは存在するものではないが、どの時代のどの企業であっても、企業が発展していくためには、経営TOPと社員が持てる能力を発揮し、能力を向上させていくことが、企業の将来を左右する重要なポイントであることに間違いない。
このアピールは、経営TOP自らが、人づくり、人材育成に取り組み、結果として、社員がこの会社で働いてよかったと思える会社を作りたいとの本委員会メンバーの強い想いを表したものである。
同時に、このアピールが経営TOPにとって、自社の会社経営の“ものさし”として活かせるものであればと願っている。
平成26年(2014年)4月
一般社団法人 関西経済同友会
中堅企業委員会