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提言・アピール等

民間の力を最大限引き出して経済を活性化しよう
~新成長戦略の具体策にのぞむ~

2010.05.11update

2010年5月11日

経済政策委員会

  • わが国経済は、リーマンショック後の最悪期は脱したものの、デフレや円高等の進行により先行き不透明な状況にあり、われわれは国際的な大競争の中でこのままでは日本経済が長期的な衰退に陥ってしまうのではないかとの強い危機感を持っている。鳩山政権では、家計部門を重視し企業部門を軽視するような経済政策がとられているが、経済成長の源泉となる雇用や所得を産み出すのは企業であり、家計と企業のバランスの取れた成長の好循環を作っていくことこそが現下の最重要課題である。財政は極めて厳しい状況にあるが、虎の子の財源を最大限有効に活かして、家計支援と企業の国際競争力強化の両方を目指すべきであり、そのための経済成長戦略の速やかな策定と実行が求められる。
  • 昨年12月30日に「新成長戦略(基本方針)」が閣議決定され、本年6月を目途に具体案の策定作業がなされているが、この具体案には「新成長戦略(基本方針)」の目標値(GDP成長率:名目3%、実質2%、2020年度名目GDP650兆円、失業率:3%台など)を達成するための具体的な方策を示すことを強く求めたい。
  • 関西経済同友会では、日本の経済成長戦略として、①規制改革による新たなフロンティア創出、②イノベーション促進、③分権改革による地方の活性化、④アジアを中心とした海外との連携、を強く訴えてきた。政府におかれては、成長戦略を具体化する中でこの4項目を推進するとともに、企業部門の強化策として、社会的インフラなど将来の成長に資する投資、技術革新や新産業育成のための研究開発支援・税制の優遇措置、法人税減税の実施、そして海外大型プロジェクトや国際標準の獲得などを強いリーダーシップで実現してもらいたい。
  • 今回われわれは、新たな提言として、特段の財政措置を必要としないで経済を活性化できる「規制改革」と、ICTやエネルギー分野などで将来の経済成長の基盤を作るための「イノベーション促進」について取りまとめた。今、われわれの周りには、時代にそぐわない数多くの規制や有効に活用されていない投資が存在しているが、この中から医療・介護、保育、観光・農業、ICT、エネルギー分野において、経済政策委員会メンバーを中心に会員の直面する問題や関心の強い課題を、具体的な例として取り上げた。