御堂筋及び周辺の活性化に関する提言
~関西経済再生の舞台装置として~
今なぜ御堂筋の活性化なのか:
御堂筋の活力低下は関西経済の地盤沈下の結果であり、それによる御堂筋及 び周辺の地価下落及び中枢機能の流出は関西経済に悪影響を与え、さらにその 影響が日本全体に波及し、デフレを加速する原因となっている。
その意味で、我が国の経済活力の再生に積極的に貢献するとともに、「21 世 紀の国土のグランドデザイン」(平成 10 年 3 月閣議決定)に謳われた「大都市のリノ ベーション」及び東京圏、京阪神圏という我が国の枢要な大都市地域について、 長期的な展望のもと、その基本的方向を即地的に描いた「京阪神のリノベーシ ョン・プログラム」(平成 12 年 12 月 19 日)を推進するためにも、関西の中心都市大 阪の顔である御堂筋の活性化は緊急課題である。行政の強いリーダーシップと 全関西の民間の協力が不可欠であり、これを放置したままでは 21 世紀に関西 経済が再浮上する可能性は低い。
関西経済同友会では、早くからこの問題を重要課題として認識しており、平 成 10 年 11 月に「【緊急提言】内需振興のための大都市圏インフラ整備につい て」を、同 12 月に「【緊急提言】都市部における土地の有効利用に向けて」を 発表し、その中で (1)日本経済の「機関車」的役割をもつ大都市圏に対する公共 投資の重点化、(2)首相直轄の省庁横断的な都市再生委員会(仮称)の創設、(3)都 市部の未利用地・遊休地の有効利用に関する時限的緊急措置を提言した。その 後も、これらの提言を踏まえ、御堂筋の空洞化現象とその危険性について警鐘 を鳴らしてきた。
21 世紀を迎えた今、御堂筋の活性化と関西経済の再生を図るため次のとおり 提言する。
平成13年4月
社団法人 関西経済同友会
調査企画部会