平成29年度予算・税制改正大綱に望む
~成長戦略と財政再建を着実に実行し、次世代に引き継ぐ国創りを~
2016.11.02update
日本経済は、アベノミクスによる好循環が一巡し、円高や新興国経済の減速などが重石となり依然力強さを欠いている。このように成長ペースが高まらない背景には外部環境の悪化もあるが、潜在成長率がゼロ%近傍まで低下している状況を鑑みると、より本質的には構造的な停滞に陥っていると考えるべきである。従って、わが国が低成長から脱し、政府が目指す600兆円経済を実現させるためには、潜在成長率の引き上げが急務といえる。
一方、懸案の財政問題は、当会が確行を求めた消費税引き上げが延期されたことで、財政再建の道筋は一段と不透明感を増している。次世代に過度な負担を残さないためにも、今こそ、政府が強いリーダーシップを発揮し、財政改革や岩盤規制の緩和など構造改革の着実な実行により日本経済の底上げを実現し、経済成長と財政再建の両立を図るべきである。
平成28年(2016年)11月
一般社団法人関西経済同友会
経済政策委員会