提言・アピール等

西から実現。生みやすい・育てやすい企業
~経営者は、当事者視点を持ちトップダウンで『実現』を~

2025.04.10update

一般社団法人関西経済同友会
少子化問題委員会

関西経済同友会 少子化問題委員会(委員長:早乙女実 三菱UFJ銀行 取締役副頭取執行役員 西日本駐在)は、提言「西から実現。生みやすい・育てやすい企業~経営者は、当事者視点を持ちトップダウンで『実現』を~」を取り纏めました。

1.提言の背景
日本の少子化問題は深刻な状況にあり、国をあげた対策が必要。そして、経済界としても、取り組みの強化が求められる。なぜならば、国民が人生の多くの時間を割いているのは労働であり、且つ、家庭で過ごす時間と企業で労働する時間のバランスを大きく左右するのは、企業での労働であるためだ。したがって、少子化問題において企業が与える影響は大きく、企業の役割は重要であると考える。そこで、本提言では、少子化問題に関し、主に企業に対して提言を実施する。

2.提言の概要
(1)企業への提言
【若者へ、結婚や子育てについての明るい展望を示すことが最も重要で、「少子化問題へのアプローチ」を一丁目一番地として経営にビルトインすべき】
企業は、本当の意味で「人」を中心に据えた経営に転換していかなければ、生き残れない。
現在は、企業の社会課題に対する責任が問われる時代。少子化は、各国で顕在化している社会課題であり、特に課題先進国である日本で事業展開する企業は、長期的な視座の下、経営課題として取り組む必要がある。

【「従業員への還元強化」と「制度面の整備」により、「人を大切にする経営」を実現せよ】
企業は、賃上げを始めとした、従業員に対する還元の強化を進めていくべき。そのうえで、制度面を整備し、従業員に「この会社で働いて、楽しい未来を築きたい」と思われることが重要。

【自社における「人生設計のしやすさ(結婚しやすさ・生みやすさ・育てやすさ)」につき、Fact Findingを進め、世代間の認識ギャップを解消せよ】
自社の働き方や人事制度において、従業員の望む人生設計(結婚しやすさや生みやすさ、育てやすさ)を阻害しているものがないか、しっかりと把握する必要がある。
その前提として、経営者・若手従業員の世代間の認識ギャップを解消することが重要。トップダウンで推進していく経営者自身が、「生の声」を通じて、自社のFact Findingを進めていただきたい。

【関西経済同友会としては、少子化問題に関する企業の取り組みのプラットフォームを立ち上げ、企業が取り組みを強化する機運を、関西から全国に発信していく】
各社の取り組みのジャンルや背景、成果等を紹介するプラットフォームを立ち上げ、展開する。関西から全国に発信し、企業が取り組みを強化する機運を醸成し、後押ししていく。

(2)政府への提言
【企業努力のみでは網羅できない領域で、若者の多様な選択を支える打ち手を強化せよ】
有配偶出生率の低下、および婚姻数の減少に対して、親や未婚者の多様な選択を支える環境を整備していくことが求められるが、多岐に亘る問題を孕む少子化問題において、企業努力だけでは全範囲を網羅できない。若者に、結婚や子育てについての明るい展望を示すには、政府の取り組み強化が必須。官民一体で少子化問題に向き合っていくことが求められる。

以上

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