大阪市水道局は更なる経営改革を進めよ!
そして府市連携を推進し広域行政化の先鞭とせよ!!
大阪市水道局は、現在、市政改革マニフェストおよび局長改革マニフェストに基づいて改革を進めている。しかし、我々民間の目からはまだまだ改革の余地が残っているといわざるをえない。大阪市の財政を取り巻く環境は極めて厳しく、以下に提案する項目についても積極的に取り組み、マニフェストを超える成果を出していただきたい。そして、更なる効率化を追求するには、水資源の有効利用や供給過剰にある浄水場等施設のダウンサイジング等が不可欠である。これには淀川を水源とする自治体は勿論のこと国をも交えた取り組みが必要となり、府下の市町村を含めた広域行政化という高い視点に立つことが求められる。
折りしも、先の165回臨時国会では「地方分権改革推進法」および北海道を対象とした「道州制特区推進法」が成立し、本年度内には内閣府に推進委員会が設立される見通しとなっているなど、安倍政権の下、「道州制」が実現に向け着実に歩を進めている。「道州制」に代表される広域行政化は、それが実現されれば、スケールメリットによる行政機構のスリム化、権限移譲による地域の特性にあった行政サービスの実現等が可能となるため、都市経営の観点から強く望まれるところである。
関西経済同友会では、従前より、大阪府、大阪市、新しく政令指定都市となった堺市を含めた近隣都市との広域行政化を視野に入れた「グレーター大阪」の創造を提唱してきた。大阪市水道局におかれても局長改革マニフェストに府市連携を掲げており、府市水道連携協議会を立ち上げるなど、前向きの姿勢を見せているが、上述したように更なる効率化の実をあげるためには「大阪府・大阪市の連携」の枠組みにとらわれず、府下全域の市町村にまでその輪を広げることを提言する。今回の水道事業をはじめとする府市連携が「道州制」早期導入の契機になるとともに、広域行政化のリーディングモデルとなることで、首都圏への一極集中により経済的・文化的地盤沈下がいわれて久しい大阪の復権に寄与することを望む。
平成 19 年 1 月 22 日
社団法人 関西経済同友会
都市経営改革委員会