外交力で強化する我が国の安全保障
―日本はアジアでイニシアチブを発揮せよ―
関西経済同友会 安全保障委員会(委員長=佐藤潤 昭和丸筒 取締役会長)では、「防衛力の整備は国家の安全保障政策の根幹であるが、戦略的な外交政策もまた平和維持に不可欠である」との問題意識のもと、2年間に亘り、我が国の外交を中心に調査研究を行い、4つの提言にまとめ、1月24日に記者発表を行いました。
具体的には、「今後我が国が進めるべき外交」の観点から「提言1:我が国がアジアにおいて果たすべき役割を自覚し、能動的外交によってイニシアチブを発揮すべき」としています。また、「外交を支える基盤の整備」の観点から、「提言2:外交に関わる専門人材の育成強化により外交戦略の立案力を高めるべき」、「提言3:外交力の裏付けとなる「国力」を向上させるべき」、「提言4:安全保障と外交について国民の意識向上を図るべき」、としています。
提言1では、アジアの安全保障環境が厳しさを増し、我が国の平和を外交力によって維持することの重要性が高まるなか、日本はアジアの成熟した経済大国として、能動的な独自外交を展開し、この地域の国際的な枠組み作りにおけるリーダーシップを発揮すべき時であるとしています。
提言2では、外交や安全保障にかかわる人材を質・量両面から育成・拡充することは急務であるとして、特に外交官育成については、新たな時代に相応しい形での外交官試験の復活や外交専門大学院の設置等を含めて、ルートの多様化を図ることを提案しています。また、シンクタンク機能を充実させると同時に、政府との関係を強化することで、戦略的外交政策の立案力を高めるべきとしています。
提言3では、外交力を発揮するためには、その後ろ盾となる国力の強化が欠かせないとして、我が国自体の防衛力向上と、経済成長戦略の推進、国際競争力の維持・向上が必須であると提言しています。
提言4では、国民自身が安全保障と外交について意識向上を図るべきとして、教育の場において近現代史や安全保障を学ぶことの重要性や、非伝統的脅威が身近なものであるとの認識の必要性を提言しています。
一般社団法人関西経済同友会
安全保障委員会