地方分権改革の突破口を目指して
~関西広域連合の更なる機能強化を~
関西経済同友会 関西・大阪の行政のあり方委員会(委員長=加藤好文 京阪ホールディングス 取締役社長CEO兼COO)は、提言「地方分権改革の突破口を目指して~関西広域連合の更なる機能強化を~」を取り纏め、5月12日に発表しました。
平成22年12月に全国初の複数府県で構成される広域連合「関西広域連合」が設立された。設立から6年が経過し、一定の評価はあるものの、国出先機関の「丸ごと移管」の未実現など、設立時に想定した姿と現状との乖離は大きい。こうした中、広域連合は今年4月から、第3期広域計画をスタートさせた。そこで、このタイミングを捉えて、関西広域連合が、本来の役割を十分に発揮し、関西の更なる発展とわが国の地方分権改革の突破口を開くことに寄与できるよう、経済界として期待と応援を込めて、関西広域連合にスポットをあてた提言を行う。
関西広域連合が抱える課題として、「出先機関の『丸ごと移管』に対する国の消極姿勢」「独自財源の欠如」「構成団体(首長、議会)の参加意欲のばらつき・不安定性」「市町村や住民への周知不足」「広域的行政課題への取り組みの遅れ」などが挙げられる。
これらの課題を踏まえ、以下4つの提言を行う。
(1)国は、出先機関を関西広域連合に「丸ごと移管」せよ
○国は、出先機関の「丸ごと移管」を進め、地方分権改革に向けた一歩を踏みだせ!
○関西広域連合は、「丸ごと移管」に向けたアクションプランと将来像の提示を!
(2)関西広域連合は、強いリーダーシップが発揮できる体制の整備を
(3)関西広域連合は、「強く豊かな関西」を目指し、域内外で存在感の発揮を
○広域イベント誘致や関西の強みの創出・PR
○関西企業や行政組織の海外活動のサポート
(4)防災・医療に係る広域行政は関西広域連合に集約し、「生命を大切にする関西」を実現すべき
医療:ドクターヘリの安定運用、医療等イノベーションの拠点としての競争力強化、
「関西健康・医療創生会議」の機能強化
防災:カウンターパート方式支援の推進、マルチの関係での応援・受援体制の構築、
防災庁の設立推進
複数の府県市によって成り立っている関西広域連合では、様々な利害対立が不可避だが、そうした個別の利害関係を大きな問題とせず、関西広域連合と構成団体にはそれぞれの果たすべき役割を整理し、これからの時代にふさわしい行政サービスのあり方を追求してもらいたい。そうした体制づくりこそが、関西広域連合という組織の大きな意義である。
以上
一般社団法人関西経済同友会
関西・大阪の行政のあり方委員会