出生率向上に向けて 企業発信の少子化対策
~本当はみんな子供が3人ほしい~
我が国の合計特殊出生率は、過去30年間下がり続けている。
昨年の厚生労働省の人口動態統計によると、2005年は明治以来初めて、出生数が死亡数を下回り、人口減少時代が国立社会保障・人口問題研究所の中位推計より2年早く到来した。
今後の急速な少子化の進行は、経済成長や社会保障制度の維持、地域社会の活力などに深刻な影響を及ぼすものと考える。
関西経済同友会人口減少・高齢社会委員会は、人口減少時代の到来にあたり、
①人口減少の要因である出生率の低下に歯止めをかける。
②今後の生産年齢人口減少に対応した社会を構築する。
の2点において、早急な対応が必要であると認識し、特に①の対策として「出生率を
高める」ことに焦点を絞り、本年度委員会として取り組むこととした。
晩婚化、非婚化についても大きな問題であると認識した上で、実際の取り組みとしては、2005年度国民生活白書において指摘された「出生率の低下要因は、90年代に入り夫婦の出生行動の変化が大きな割合を占めるようになっている」という点を意識した。そこで昨年10月に会員企業の協力を得て、「子供を産み・育てる」ことに重点をおいたアンケート調査を実施した。
その結果、732件に及ぶ貴重なデータを得ることができた。ご協力いただいた会員企業の皆様に改めて御礼申し上げたい。
団塊ジュニアが30代前半に差し掛かる今、少子化対策は一刻の猶予もなく総力戦で取り組むべきである。本提言が、我が国の少子化対策に何らかのインスピレーションを投げかけることができることを願ってやまない。と同時に、アンケート協力者をはじめとする就労者の声に応える今後の施策や工夫につながることを期待したい。
平成18年5月
社団法人 関西経済同友会
人口減少・高齢社会委員会