令和2年度予算・税制改正大綱に望む
政府は本年6月、『経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2019』を閣議決定した。「財政健全化」は我が国にとって最優先課題であり、本年10月の消費税率引上げが予定通り施行されることを評価する。
当会経済政策委員会は、提言「平成31年度予算・税制改正大綱に望む」(2018年11月)において、高齢化に伴う医療費・介護費の増加や将来の金利上昇により政府債務が膨張を続ける状況下、日本国債の信認が失われれば、いつでも“財政破綻(国が資金繰りに窮する状況)”が起こりうる、との危機感を共有した。これ以上将来世代にツケを回せば、社会保障制度の維持は困難になることは明白である。政府には健全な危機感の下、「将来視点による議論の展開」と「痛みの伴う改革の断行」に“待ったなし”で取り組んでいただきたい。
同時に、我が国が国際競争を勝ち抜くためには、新産業の創出、生産性の向上による経済成長が必要不可欠である。中長期での経済成長を見据え、イノベーション創出を促す成長戦略についても、積極的な舵取りを願いたい。
以上の問題意識のもと、「守り」と「攻め」の観点から、令和2年度予算・税制改正大綱に向けて4つの要望を取りまとめた。政府には早期の着手を求める。
▼要望項目(個別の要望事項は、PDFファイルに掲載しています)
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1.持続可能な社会保障制度の構築に向けた抜本改革
~デジタルトランスフォーメーションの果実を取り込む~
2.独立財政機関の設置による財政の透明性・客観性の確保
3.イノベーションを促す成長戦略の実行と予算・税制措置の拡大
4.大阪・関西万博およびIR(統合型リゾート)に対する取り組み推進
以上
一般社団法人 関西経済同友会
代表幹事 池田博之
代表幹事 深野弘行