人々の幸福「ウェルビーイング」を実現する未来ビジネスの創出に向けて
関西経済同友会 未来ビジネス委員会(委員長=坂本英一 西日本電信電話 代表取締役副社長)は、提言「人々の幸福『ウェルビーイング』を実現する未来ビジネスの創出に向けて」を取り纏めました。
1.はじめに
技術革新やデジタル化が急速に進展する中、日本・関西が国際的な競争力を確保し持続的な成長を実現するためには、テクノロジーの進展がもたらす社会・産業構造の変化を探り、未来社会を展望するとともに、世界に先駆けて新たなビジネスの種を見出し、それらをいち早く実現させていくことが肝要である。本提言は、未来ビジネスの創出に向け、日本・関西、そして我々自身が取り組むべきことについて取り纏めたものである。
2.提言
提言1.世界からベンチマークされるような共創型エコシステムを形成
(1)企業は、アカデミア(大学・研究機関・医療機関等)、スタートアップ、或いは消費者ともオープンに連携し、社会環境の変化に即応したビジネスを創出するイノベーションクラスターを形成
(2)企業は、産学連携し、研究開発能力×アントレプレナーシップの融合人材(ハイブリッド型戦略的企業家)を育成、或いは社外から積極的に登用【例:企業人材の大学への派遣・養成 等】
(3)企業は、斬新なアイディアと機動性と柔軟性を持つスタートアップの支援や連携を更に活性化(スタートアップ・エコシステムのネットワーキング機能向上への支援、特に金融面でのサポートの充実)
(4)関西企業は、関西の強みを活かし、業界横断のサービス連携を展開し、地域における好循環モデルを創出すべき(産学がコンパクトにまとまった関西ならではの魅力的なコミュニティの形成)
提言2.リスクを予見してビジネスチャンスを創出するルールメイキングを
(1)企業は、自らELSIの対応方針を策定し体制を整備するとともに、自らのE(倫理)を築き、L(法律)やS(社会)に提案 【例:企業内のELSIのガバナンス体制構築、人材育成 等】
(2)企業、アカデミアは、生活者のあらゆるデータの収集、解析、利活用促進に向け、様々なプレーヤーが参画可能な共通のフレームを構築(検討の場にはデータを提供する国民自身も含めるべき)
(3)国は、新たなテクノロジーやサービスの速やかな社会実装に向け、ステークホルダーとの合意形成を意識しつつ、規制やルールを先回りして整備し、日本式ELSIの枠組みを早急に整理
提言3.未来への渇望感を持ち、フューチャードリブンな経営を
(1)経営者は、次世代を担う若者と共に新しい未来を創る渇望感を持ち、ニーズドリブンからフューチャードリブンへと転換し、即断・実行の経営を実行
(2)経営者は、目指す未来のパーパスを明確に示し、共鳴する仲間と共に、未来ビジネスを創出
⇒目指す未来のパーパスは「ウェルビーイングが最大化される社会」の実現
以上
一般社団法人関西経済同友会
未来ビジネス委員会