データ利活用戦略による新たなフロンティアの開拓へ
~次世代社会の創造に向けて、経営者はいざチャレンジを~
関西経済同友会 データ利活用委員会(委員長=清水博 日本政策投資銀行 常務執行役員関西支店長)は、提言「データ利活用戦略による新たなフロンティアの開拓へ~次世代社会の創造に向けて、経営者はいざチャレンジを~」を取り纏めました。
1.問題意識
データがヒト、モノ、カネと並ぶ重要な資本となり、データが経済活動を動かす社会(データ駆動型社会)、データ利活用の成否が企業や国の国際競争力さえも左右する時代が到来している。
バーチャルデータの利活用は、すでに海外勢が圧倒的な影響力を持ち、日本は周回遅れと言える状況だが、リアルデータの主導権争いにはまだ勝機がある。今こそリアルデータの利活用で巻き返しを図るべきである。
2.提言
現在、多くの日本企業は、業務プロセス効率化を目的としたデータ利活用は一定の成果が見られるものの、モノ・サービスの高付加価値化、新ビジネスの創出には至っていない。課題として、①経営者の認識不足、②市場創出力の不足、③組織体制の不足、④外部環境の整備不足、⑤人材不足といった「5つの不足」を抱えている。
そうした中、成果を生み出している企業に共通するのは、現場や顧客ニーズからの着想、データ利活用を「手段・ツール」と捉えチャレンジする姿勢、人手をうまく活用する取り組み、長期の視点である。これらの問題意識、課題を踏まえ、以下を提言する。
✓まずは経営者自身がAI・IoTなど先端技術活用を自社の最重要課題として捉え、自己研鑽することから始めるべき。また、データの利活用を目的化するのではなく、「データを常に課題発見・解決の手段として捉える」姿勢が重要。
✓加えて、事業および業務プロセスの非連続的な変革、事業のグローバル化を前提としたビジネスモデルの創出、外部人材・ノウハウの更なる活用など、「次世代社会の創造」を見据えた次のステップにも果敢に取り組むべき。
✓新たなフロンティアを開拓すべく、「データ利活用を通じた新ビジネス創出・収益機会の拡大」へ積極的なチャレンジを。
また、「経営者」「産業・地域」「人材育成」の各項目に分け、日本企業におけるデータ利活用の促進に向けて、具体的な方策を示したい。
(1) 経営者 現場を直視し、データ利活用に向けたリーダーシップの発揮を
・・・データ利活用で解決したい課題・目的の明確化・共有 他
(2) 産業・地域 幅広い連携の促進を
・・・ データ共創の枠組みの形成促進 他
(3) 人材育成 実戦的な人材育成を
・・・ 企業と人材育成機関との緊密な連携・対話 他
以上
一般社団法人関西経済同友会
データ利活用委員会