提言・アピール等

ソーシャルメディアに企業がどう向き合うか
~経営判断のポイント~

2012.04.25update

2012年4月
一般社団法人 関西経済同友会

企業経営委員会

フェイスブック、ツイッターをはじめとするソーシャルメディアの利用者が世界規模で拡大しています。欧米では、すでにコミュニケーション・インフラとして日常生活に根付きつつあり、個人にとどまらず、多くの企業がその活用に取り組み始めています。

わが国では、欧米に比べてソーシャルメディアの普及が遅れており、利用はまだ一部の層に限られ、その使われ方も、多くは個人的な関心事や趣味に関する“つぶやき”の発信といった領域を出ていないのが実情です。そのため、企業経営者にとって、ソーシャルメディアが企業活動にどれほどの影響を及ぼし、どのように活用できるかを十分に理解するのは容易ではありません。

そこで本委員会では、講演会やパネルディスカッションの開催、あるいは北米視察団の派遣などを通じて、ソーシャルメディアの実態を把握するとともに、企業での活用のあり方を探求してきました。これらの活動により、ソーシャルメディアが企業にいかに大きな影響を与えるものであるかを実感したのに加え、その活用に際しては、何か特別なスキルを駆使するというよりも、顧客を尊敬し、透明でオープンな経営をするという、企業本来のあるべき姿の追求こそが最も重要であるということを学びました。

本報告書は、企業経営者の方々がソーシャルメディアについての理解を深め、その活用に向けてできるだけ多くの役立つ情報やヒントを提供することを目的に、一年間の活動を通じて得られた知見をまとめたものです。ソーシャルメディアは決してバーチャルなものではなく、極めてリアルなコミュニケーションの場であって、企業はいつまでもこれに無関係ではいられず、真摯に向き合うことが不可欠な状況に置かれていると言えます。

今、わが国は、東日本大震災によって「一極集中」の弊害が露呈し、「分散化・多様化」の社会への見直しが議論され始めておりますが、企業のコミュニケーションにおいても、特定の媒体に集中せず、多様なメディアを組み合わせることがこれからの流れになるのではないでしょうか。経営者の皆様方には、これを機に一歩踏み出されることを強くお勧めいたします。

われわれ企業経営者は、ソーシャルメディアの活用にリーダーシップを発揮し、風通しの良いオープンな企業経営を実践していこうではありませんか。

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