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提言・アピール等

コンヴィヴィアルな街「大大阪」を目指して
~大阪の不動産価値を高めるために~

2013.05.07update

平成25年(2013年)5月
一般社団法人 関西経済同友会

大大阪委員会

当委員会の由来となっている「大大阪」とは、1920年代、大阪が東京を上回る人口を有する日本一の大都市として栄華を極めた時代の、大阪の呼び名である。当時の大阪は、豊かな経済地盤を活かして商業が栄え、沿岸部では繊維産業を中心に工業が発達していく活気ある時代であった。街中に目を向けると、御堂筋線が整備され周囲には美しい近代建築が次々と建設される等、官の強いリーダーシップに基づく都市計画の下で民が自由に街をつくり、まさに住んで、働いて、歩いて、楽しいコンヴィヴィアル(生き生き楽しい)な街ができあがっていった。ゆえにヒト、モノ、カネが世界中から大阪に集まってきたのである。

大大阪委員会は、大阪で民による強いリーダーシップを発揮し、再び活気ある大大阪時代の大阪を取り戻すことを目的として設置された委員会である。「大大阪」と考えた場合、広い意味では、大阪だけにとどまらず、京都や神戸等関西の他の都市も巻き込み、関西の多様性を活かしながら、アジアとの連携を考えていく必要がある。世界の都市と競争するためには、このような「面」の考え方が必要であり、その中心的な役割を大阪が担わねばならないのである。

当委員会においては、そうした広い意味での大大阪をこの地で実現するために、まずはコアとなる大阪、特に都心部(JR環状線の内側の範囲のイメージ)の活性化策について考えることにした。基本となる都心部が活性化すれば、効果は周辺にも波及していくはずである。具体的には、再びヒト、モノ、カネが集まる大阪にするための具体的方策、手段について提言することとしたい。これまで「○○のような大阪にすべき」「○○な街・大阪を目指すべき」という提言は数多くあったが、そのような街を実現するための端緒として、その手段を考えることにしたという趣旨である。また、具体性を念頭におくうえで議論が拡散しないよう、「不動産投資」という観点に絞って提言している。不動産投資によりカネが大阪に集まれば、ヒト、モノも集まるようになるのである。

大阪は非常に美しい街である。街中の近代建築物、郊外に広がる美しい住宅街、山と緑、豊かな歴史と文化、そして京都や神戸等近隣都市までの近接性を有し、質の高い資源に溢れている。しかし、その高いポテンシャルを活かし切れておらず、魅力が大阪以外に伝わっていないのではないだろうか。こうしたポテンシャルの高さが大阪以外の不動産投資家に伝わり、大阪がカネの集まるような街になるよう、この提言を活かしていただければ幸いである。

平成25年4月
大大阪委員会委員長 小柳治

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