提言・アピール等

【緊急提言】貧困の連鎖を断ち切る効果的な教育投資を

2017.11.29update

一般社団法人関西経済同友会
子どもの貧困委員会

※写真は、緊急提言を説明し、プレスからの質問に答える宮川委員長(於:大阪経済記者クラブ)

 

は じ め に

日本の子どもの7人に1人が相対的な貧困状態にある。この問題の解決には、貧困が世代を
超えて引き継がれていく「貧困の連鎖」を断ち切ることが必須であり、そのトリガーは、
教育機会の保障にある。
今般、政府は、「人づくり革命」に向けた2兆円規模の政策パッケージの骨格を固めた。
少子高齢化が進む中、次代の担い手である「子どもたち」への支出を増やそうとする政策が
提示される今回の流れは歓迎したい。
しかし、我が国にとっては、財政再建もまた重要課題である。財源に限りがある以上は、
政策に優先順位をつけ、取捨選択していかなければならない。
我々は、このような問題意識のもと、貧困の連鎖を断ち切る効果的な教育投資を行うために、
次の3つを提言する。

提言1 優先すべきは「就学前教育」である
~大学は給付型奨学金の拡充で対応を~

提言2 無償化とともに、「待機児童問題」を解消すべきである
~そのための財源と費用負担の議論を行うべき~

提言3 子どもの貧困対策の充実を図るべき
~必要な人に必要な支援が行き届く仕組みづくりを~

お わ り に

公的な教育支援の拡充は、社会全体で子どもを育て、その子どもたちが将来の社会を支える、
というサイクルを確かにする優れた政策であり、賛成する。しかし、財政再建の命題のもと、
財源には限りがあるため、「貧困の連鎖」を絶つという観点からは、しっかりとした根拠に
基づいて政策に優先順位をつけ、教育だけに限らない機会の平等を実現する視点も考慮した
上で、取捨選択することが必要である。

以上

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