イノベーターが集まる魚礁のような都市像を求めて ~「まだ名前のない産業」を生み出す都市へ~
関西経済同友会 都市間競争戦略委員会(委員長=永井靖二 大林組 副社長執行役員)は、提言「イノベーターが集まる魚礁のような都市像を求めて ~『まだ名前のない産業』を生み出す都市へ~」を取り纏めました。
1.問題意識
関西は多くの強みを持っている。日本第2の地域経済規模で、医療、ヘルスケア産業、大学・研究機関、技術力のあるものづくり企業が集積している。また、居住環境や交通アクセスも良好。加えて、歴史文化と自然環境に恵まれ、洗練された食文化も有している。コロナ禍後は観光地として高い評価を得ている。このような多くの強みを持ちながら、なぜ関西は長期にわたって凋落してきたのだろうか。当委員会では昨年度に発表した中間提言において「イノベーション」に課題があり、「国際化」「多様性」に遅れが生じていることが関西の弱点、という仮説を提示した。
2.今年度の調査・研究 調査研究対象都市「As No.1都市」の選定
3.これからの都市のあり方を考える上での視座
4.バルセロナ as Number 1 : Lessons for KANSAI
5.提言
(1)「戦略目標」
①999産業の創出:
・イノベーションを起こす人材=イノベーターが関西から生まれ、集まる仕組みを整える
(2)「国際化・多様性」
②外部からのプレイヤーの受入
・多様な移住者を受け入れる環境、外国人向けの生活インフラを整備する
③複線的なキャリアパスの提供
・一律的な昇進モデルではなく、複線的なキャリアパスを準備する
(3)「DX+DX」
④DX:Digital X 情報アクセシビリティの向上・データベース一元化
・都市におけるDXとは、市民が都市のより良い統治、経営のための情報を全員で共有し活用できる仕組み
⑤DX:Democracy X オープン・イノベーション2.0実装
・市民と企業の公共へのコミットメント
(4)「EBPM+リーダーシップ」
⑥EBLM:Evidence Based Leadership Management
・ボトムアップの多様な意見をまとめ、予算感とスピード感をもって決断できるリーダー
⑦ボトムアップ型のリーダーシップ
・都市の統治と経営に積極的に参画する「住民参画」の意識を
(5)「デシディムの実装」
⑧グローバルな協調ができる都市へ
・市民が自分が住む町のことを自分事として考え、参画し、作り出していくという、市民全員参加型の社会を
一般社団法人関西経済同友会
都市間競争戦略委員会