「21世紀日本創生プラン」
~改革をより実り多きものとするために~
2002.03.01update
- 昨年4月、小泉政権がスタートした。90年代を通じたわが国経済の長期低迷や政治不信の深まりを背景として、国民はわが国の変化を期待し、小泉政権の誕生に改革推進の希望を託したのである。
- 政権発足後すでに10カ月が経過した今、足元の景気はきわめて厳しい状況にある。改革は徐々に進んではいるものの、国民生活に直接届く形での成果は現在のところさほど多くは現れていない。しかしながら、小泉政権がなお歴代内閣と比べて高い支持を受けているのは、国民が、改革によるわが国の再生に強い期待を寄せているからに他ならない。
小泉政権はこうした国民の期待にこそしっかりと応えていかなければならない。すなわち、改革の目的がわが国経済社会の再生にある以上、足元の経済を崩壊させることなく、未来を切り拓く改革を全力で実行することが強く求められている。また、われわれ経済界も、このような改革の推進を全力でサポートしていかねばならない。 - 当経済政策委員会は、一昨年度は個人消費の活性化策、昨年度は国際競争力の強化策と、わが国経済の再生に向けた提言を行ってきた。これらは、いずれも民間が活力を最大限に発揮することを経済再生の柱に据えながら、①国内需要掘り起こしのためには施政者の立場ではなく受け手の立場に立った政策運営が必要であること、②国際競争力の確保・向上のためには、企業・個人・政府がそれぞれの立場で切磋琢磨しつつも、戦略性を持って協調することが必要であること、を示した。
本年度は、過去2年間の提言内容を踏まえつつ、改革の推進に当たり、わが国が再び未来に向かって歩を進めるために今なすべきことは何かということについて、民間の視点から調査・検討を行った。以下がその検討結果である。
2002年3月
社団法人 関西経済同友会
経済政策委員会