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私達の取り組み
第4回対馬視察:循環経済に向けて! 「対馬モデル(循環経済モデル)」実証の最前線を視察
2024年10月2日
脱炭素社会・海洋プラごみ対策・GX推進

第4回対馬視察:循環経済に向けて! 「対馬モデル(循環経済モデル)」実証の最前線を視察

サーキュラーエコノミー委員会は、プラスチック問題の解決をはじめ循環経済への移行に向けた取り組みの輪を広げるべく、本会として4回目となる対馬視察を実施。
道岡俊浩 サーキュラーエコノミー委員会 委員長(三井住友銀行 取締役兼専務執行役員)、宮部義幸 代表幹事、永井靖二 代表幹事ら36名が参加し、「国際的な海ごみのホットスポット」に位置する長崎県対馬市にて、海岸清掃の後、リサイクルの取り組みなどを視察しました。
また、2025年大阪・関西万博を前に、比田勝尚喜 対馬市長をはじめ対馬市関係者ら10名と、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、ビジネスモデルや行動変革のためにすべきことについて、活発な意見交換を行いました。


■海ごみの現状視察・清掃体験

クジカ浜には、砂浜一面に発泡スチロールやプラスチック容器、漁具、流木など多種多様かつ膨大な量のごみが漂着。参加者は衝撃を受けつつ、末永通尚 対馬CAPPA 理事より、対馬の海ごみの現状について話を聞き、1時間以上にわたり海岸清掃を行いました。

対馬には毎年3万㎥超の海ごみが漂着します。今回は、ペットボトルと発泡スチロールを中心に回収しました。漂着物には不法投棄された漁具や危険薬品の入ったポリタンクもあるとのこと。漁業用発泡スチロールに絡まるロープを切る分別作業や、車両や重機が入れない場所で回収したごみを人力で運ぶ苦労も体感し、個人として/企業人として何ができるかを考えつつ、対馬市関係者と一丸となり熱心に作業に取り組みました。

■対馬クリーンセンター中部中継所
~海ごみ等の再資源化、対馬モデルの実証の動きを見学~

同施設では、福島利弥 対馬市市民生活部環境政策課 参事からの説明のもと、回収された海ごみを集約、再資源化できるように種類や色ごとに再選別しリサイクル資源として破砕・減容化する設備やリサイクル処理の様子を見学しました。

対馬モデル実証の動きとして、ここでは今年9月に設置・運用開始された発泡スチロールを溶解・固化(インゴット化)できる減容機により、従来より運搬コストを下げつつ、再資源化に取り組んでいます。参加者は、再資源化、循環経済を持続させていく上での課題について理解を深めました。

■対馬市との意見交換会
~サーキュラーエコノミーの実現、ビジネスモデルや行動変革に向けて~

意見交換会では、比田勝尚喜 対馬市長による挨拶、前田剛 対馬市しまづくり推進部SDGs推進課 副参事による「対馬モデル(循環経済モデル)」の取組説明の後、テーマ「対馬モデルを起点とした、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、ビジネスモデルや行動変革のためにすべきこと」について意見交換しました。

参加者からは「解決のために、様々な新結合が必要。ベンチャーやスタートアップの技術をネットワークで繋げることで貢献できるのではないか」「海ごみを減らすためには、国際的な機運醸成・発信の工夫が必要」「海ごみは一般廃棄物にあたり、日本の法律では自治体負担。自治体では来たものを放置できず取り組んでいる点をふまえ、企業は持続的な支援、マネタイズが重要」「高くても地球にやさしいものを選ぶ価値観をどう作るか。まずはスタディツアーで、海ごみ問題を広く知ってもらうこと。サーキュラーエコノミーに関する問題意識を高めることが重要」「人口減少も喫緊の課題。魅力アピールのため、若者にもスタディツアーへの参加機会を多く作れるとよい」といった意見が出ました。

■アップサイクルの取り組み視察 

武蔵刃物

武蔵刃物では、対馬に漂着した海洋プラごみを収集・仕分けし粉砕したチップを、圧縮・成形し、包丁の柄にした「対馬海洋包丁」を製作。海ごみを知るきっかけとなるよう、柄の端にはNFCチップを埋め込み、スマートフォンで読み込むと専用ページを見ることができます。

一般社団法人daidai

対馬では、人口2.7万人に対してシカが約4.7万頭生息するなど、獣害被害が深刻になっています。
そのようななか、daidaiでは、「獣害から獣財へ」をキーワードに、駆除されたシカやイノシシの食肉加工、アップサイクル製品の製造・販売を行っています。

今回の視察では、対馬の海ごみ問題の深刻さを再認識すると共に、深刻な人口減少を起因とする様々な課題への取り組みから、多くの学びを得ました。
本会では、対馬と関西を起点に「対馬モデル」を通して世界に未来の循環型社会のあり方を示し、ビジネスモデルや行動変革につなげるべく、今後も機運醸成、情報発信に取り組んでいきます。