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私達の取り組み
2022年9月20日
脱炭素社会・海洋プラごみ対策・GX推進

対馬の現状と取り組みの最新状況を視察 ~プラスチック問題解決、SDGs及び大阪ブルー・オーシャン・ビジョン達成に向けて~

グリーン関西推進委員会(委員長=高澤利康 日本政策投資銀行 常務執行役員 関西支店長)は、9月20日~21日、昨年度に引き続き日本で最も海洋プラスチックごみが漂着するといわれる対馬市の実情を視察。本会から19名が参加し、海岸清掃を体験、現地の課題や取組等についてヒアリング・意見交換を行いました。

本視察は、<企業>として従来の大量生産・大量消費・大量廃棄型ビジネスの弊害、地域の取り組みを学ぶことでビジネスモデルの変革や地域貢献・連携について考えるとともに、<消費者>として海洋プラ問題を自分事として捉えるきっかけとし、<行政>にとってビジネス目線での問題解決の方法を学ぶ機会になればと企画したもので、今年度は海洋プラ問題のみならず、対馬の自然や歴史文化についても学べるプログラムを実施(台風の影響で一部変更)。9月20日にはサラヤグループ、対馬市、関西経済同友会が主体となり、対馬における資源循環の研究開発を進める「対馬モデル」に関する連携協定を締結しました。

■対馬市クリーンセンター中部中継所を視察


安藤智教 対馬市市民生活部環境政策課 参事兼課長補佐

対馬で市職員や住民等によって回収された海洋ごみ(プラスチックや流木等)は一度全て当施設に集約される。プラスチックの処理について、色による分別、発泡スチロールの汚れ等は手作業の電動のこぎりで取り除く。その他の処理は、近年導入した機械で行う。処理後のプラスチックは、一部は燃料やプラスチック資源として再利用されるが、多くは最終処分場に埋め立てている。


■海洋プラごみの現状見学・小茂田浜にて海岸清掃

対馬市南西部の小茂田浜にて海洋ごみ漂着の現状を視察。舎利倉政司 小茂田浜神社宮司、末永通尚 対馬CAPPA 理事の講話の後、海岸清掃を行いました。普段は海水浴場として利用される海岸ですが、台風11号や14号の影響もあり大量の流木やプラスチックごみが打ち上げられていました。ごみは韓国や中国からのペットボトル、漁具、化学品が入ったポリタンク等、多岐にわたりました。

■最前線を担う市長・自治体関係者と意見交換


阿比留正臣 対馬市市民生活部次長 兼環境政策課長

対馬には、海流と風の影響で多くのごみが漂着する。モニタリング調査を実施したところ、漂着物は発泡スチロール、漁業用ブイ、ペットボトル、ポリタンク、医療系廃棄物など様々で、年間20,000~30,000㎥のごみが漂着していると推計される。現在は日韓での海岸清掃に取り組んでいるが、今後は中国、台湾、東南アジアへの発信が重要。「対馬モデル」の研究開発、大阪・関西万博での情報発信に力を合わせて取り組みたい。


■対馬の自然や歴史文化を学ぶ

対馬は日本と大陸との中間にあり、古来より大陸と日本をつなぐ窓口の働きを担ってきました。江戸時代、対馬の藩主だった宗氏は10万石の大名で、菩提寺である万松院にその歴史が偲ばれます。
周りを海に囲まれた対馬は、島の面積の9割が森林という「山の島」でもあります。昔、日本と大陸が陸続きであったことから大陸の影響を強く受けたユニークな生態系が形成され、渡り鳥の中継地点にもなっていることを学びました。