黒田日銀総裁との懇談会 ~景気回復の兆しも、必要なら追加的な金融緩和を表明~
9月27日、本会は関西経済連合会、大阪商工会議所、大阪銀行協会と共催で、黒田東彦 日本銀行総裁との懇談会を開催。本会からは古市健・生駒京子両代表幹事が出席した。新型コロナウィルス感染症対策の観点から、昨年同様オンライン形式での開催となり、約260名が参加した。
冒頭、松本正義 関西経済連合会会長が挨拶を行い、関西経済の現状、2025年大阪・関西万博、国際金融都市構想について説明した。
続いて黒田総裁が、経済・物価情勢、日本銀行の金融政策運営を説明。感染症への警戒感が続く間は、個人消費の足踏みが続くとみている。その後は感染症の影響が徐々に和らいでいくなかで、わが国経済の回復傾向が明確になっていくというのがメイン・シナリオ。今後も感染症の影響を注視し、必要と判断すれば、躊躇なく、追加的な金融緩和措置を講ずると述べた。これに対し、経済界から、大阪商工会議所の尾崎裕会頭は、中小企業の資金繰り支援・再生支援、アフターコロナを見据えた成長実現への取り組みなどを要望。大阪銀行協会の半沢淳一会長は、「新型コロナ対応 資金繰り支援特別プログラム」を高く評価するとともに、先般公表された「気候変動対応を支援するための資金供給オペレーション」に対する期待を表明した。
本会の古市代表幹事は、コロナ後の経済競争力の回復・成長に向けた対応を指摘。「安いニッポン」を例に出し、労働生産性が高まらない日本の現状を分析。企業のとるアクションとして、「デジタル化」と「イノベーション」の推進を訴えた。
会場発言では、本会から、常任幹事の髙橋孝一ダイキン工業専務執行役員が、ダイキン工業のDXの取り取組みを説明。DXを強力に推進するためには、行政や企業におけるDX人材の獲得・育成、研究開発投資など資金確保が重要と述べ、日本銀行に対し市場・経済の安定と健全な発展の後押しを求めた。