第46回関西財界セミナーを開催
600名が参加、宣言を採択
第46回関西財界セミナー2月7・8日
活力あふれる日本へ、関西の決意示す
「混迷する政治」「国・地域・企業の成長戦略」「道州制」「企業不祥事の防止」を巡り
白熱した議論
2月7・8日の両日、関西経済同友会は46回目となる関西財界セミナーを、関西経済連合会との共催で、国立京都国際会館で開催した。企業経営者264名を含む約600名が参加し、メイン・テーマ「自立への覚悟 -活力あふれる未来をめざして-」の下、議論を行った。今回、パネル討議を第1日午前に移して分科会討議への論点を提示したり、分科会の討議時間を増やすなどの工夫を加えたこともあり、例年以上に財界人同士の活発な議論が展開された。
セミナーでは、冒頭、小嶋淳司 本会代表幹事が開会挨拶を、続いて下妻博 関西経済連合会会長が主催者問題提起を行った。下妻会長は、国際社会で日本の存在感が低下している背景に、日本人の内向き指向があると指摘、成長・共生・誠実の3つの視点から覚悟を持って国際社会の様々な問題を解決していくことの必要性を訴えた。
パネル討議は、齊藤紀彦 本会代表幹事が議長を務め、竹中平蔵 慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所所長・教授、山田啓二 京都府知事、野村明雄 大阪商工会議所会頭(大阪ガス会長)をパネリストに議論を展開。国の戦略の欠如が構造改革の停滞、地球温暖化問題での存在感低下などを招き、成長を阻害していることが指摘された。そして、日本が活力を取り戻すため、地域にも企業にも自由と責任を備えた自立の追求が必要なことが強調された。
続く7日午後と8日午前は、「地球環境・エネルギー問題への挑戦」「政治の混迷 日本の進路を探る」「日本復活の条件を探る」「アジアと関西」「新たなコンバージェンス(融合)型産業の創出」「企業と市場」「企業と社会」の7つの分科会で熱い議論が行われた。
8日午後は、茂木健一郎 ソニーコンピューターサイエンス研究所シニアリサーチャーが特別講演。「資源、人、土地がない日本は、今後圧倒的な知を集積し、独創性ある人材を育てなければ世界に勝てない。独創性溢れる関西こそ、そのムーブメントを起こすべきだ」と訴えた。続いて「関西財界セミナー賞2008」授与式を行い、シャープ(町田勝彦会長)に大賞を、神戸コレクション制作委員会、太平洋人材交流センターに特別賞を授与した。
その後、2日間の討議を総括する宣言を採択。「地球環境問題の解決」「構造改革の断行」「道州制実現に向けた『関西広域連合』の早期実現」「世界の中で存在感ある魅力的な関西の創造」「企業不祥事の防止」「新しい日本的経営」などに向け関西経済人の決意を示した。