令和6年度 事業計画

I. 基本認識

• 世界は今、地球規模、世界史的な変化の中にある。確実にやってくる気候変動や人口 減少などの課題、予見が難しい地政学や震災などのリスク、さらにAIに代表される ように、複数の技術の進化が重なり合うことで不連続に起こる急進的なイノベー ションなど、私たち経営者は様々な変化への対応が迫られている。
• 2023年、日本のGDPは人口が２/３であるドイツに抜かれ世界第４位となった。 わが国は、長期停滞から脱し、再び活力を取り戻すための重要な局面にある。私たち 経営者は、経済と社会が安定的かつ持続的に成長するために、未来の視点から多様な 変化のリスクを読み解き、リスクをチャンスと捉え、グローバル競争に勝ち抜くために行動を起こす。
• 2024年度は、2025年大阪・関西万博を翌年に控えた特別な年である。万博を成功させ、万博レガシーを活用し関西経済、日本経済の成長と発展に繋げるべく、出来ることは 全て果敢に取り組む。

II. 関西と日本の成長を促す3つの視点

ⅰ）関西の活力と競争力の向上

大阪・関西万博を基軸に、関西の魅力と競争力を高め、国際的な存在感を高める。

ⅱ）健全な成長に向けた経営課題への対応

マルチステークホルダー、賃上げ、インフレ、労働力不足など様々に対応を求め られる経営環境の中、健全な経済成長を目指し活動する。

ⅲ）未来リスクに向けた選択と対応

地政学リスク、人口減少、環境、新テクノロジーなど多様な変化をいち早く読み 解き、未来の視点から果たすべき役割を考える。

Ⅲ．重点取り組み

① 発信力・求心力の強化

・発信力の向上

時代を先取りした、同友会らしいテーマの中から提言するものを絞りこみ、提言の質を高め発信力を向上する。

・求心力の向上

異業種や、会いたい経営者との交流など会員ニーズに沿った『懇談会』を新設・ 強化し、会員活動を活性化するとともに、次代の同友会を担う中核人材の獲得と 育成を図る。

② 万博成功に向けた取組強化

機運醸成とともに、VIP受け入れに向け、海外交流委員会を強化。また万博 レガシー活用に向けた委員会を新設する。

Ⅳ．活動計画

上記の「基本認識」、「関西と日本の成長を促す3つの視点」、「重点取り組み」に基づき、以下の委員会を設けて活動を行う。

■全体運営・活動支援

1. 調査企画部会
   代表幹事の諮問を受け、適宜、諸問題・課題の検討を行う。
2. 経済同友会連携会議
   全国の同友会と活発な交流を図り、連携を深める。
3. 海外交流委員会
   万博に向けた関連行事、VIPからの面会要請へ対応する。
4. 国際シンポ・フォーラム企画実行委員会
   「第32回ボストン・シンポジウム」の企画・実行を担う。
5. MICE・IR研究会
   MICE・IRをテーマに、講演会を含めた会員への情報提供を行う。
6. グローバル適塾支援委員会
   グローバル適塾の会員増強ならびにカリキュラムの充実を支援する。
7. お水汲み祭り支援委員会
   「堂島薬師堂節分お水汲み祭り」の支援を通じて水都大阪の都市魅力向上に 取り組む。

■研鑽・交流

1. 会員懇談会
   時宜を得た講師の招聘による啓発活動を行うとともに、会員相互の交流を促進する。
2. 若手の会
   若手会員（50歳未満）の交流促進と同友会の中核人材育成の場を担う。
3. 大阪食文化委員会
   食に関する理解を深めるとともに、食文化の体験機会を通じた会員相互の交流も促進する。
4. フロンティア探索懇談会
   新領域（フロンティア）について、経済人が自由闊達に議論する懇談会を企画・運営する。
5. カンパニー エグゼクティブズ懇談会
   次代の同友会を担う役員クラスが、同友会活動に即したテーマなどで互いに 研鑽し視座を高める。
6. 女性リーダー塾
   女性リーダーの活躍に資する各種活動を行う。

■調査・研究 ～広い視野で変化と課題を捉える調査・研究を行う～

1. 中堅企業委員会
   特色ある事業活動や経営課題について調査し、時代に即した中堅企業の経営について議論する。
2. スポーツ委員会
   スポーツの様々な側面とその価値について調査・研究する。
3. 経済財政政策委員会
   わが国の経済財政政策に関して広く調査・研究し、議論する。
4. 地域創生委員会
   地域がそれぞれの特徴を活かして自律的で持続可能な社会を創るための調査・研究を行う。
5. 万博レガシー委員会
   未来社会の実験場でのイノベーション等の社会実装推進をサポートする。
6. カーボンニュートラル委員会
   2050年カーボンニュートラルの達成のため再エネ大量導入に向けた新産業の 育成とインフラ投資のあるべき姿を調査・研究する。

■提言 ～表面的な分析に止まらず、根元まで掘り下げた提言を行う～

1. 企業経営委員会
   企業経営を巡る様々な動向について調査・研究し、経営者の立場で議論する。
2. 少子化問題委員会
   進行する少子化に対し、企業・社会が取るべき適応策と緩和策について提言する。

■実行 ～ステークホルダーへの発信や自らの実践活動を通じて、共感する
仲間を増やし、社会にムーブメントを起こす～

1. 大阪・関西EXPO委員会
   万博成功に向けた機運醸成活動を行うとともに、万博を関西の経済成長に 繋げるための活動も実践する。
2. 教育問題委員会
   企業と大学の相互理解の場に向けた取組を実行する。
3. 広域観光推進委員会
   大阪湾・瀬戸内海舟運観光による関西・西日本の成長を目指した活動を行う。
4. 文化・芸術の力委員会
   芸術文化を学ぶとともに、地域の発展・企業イノベーションに活かすための活動を行う。
5. 関西ブリッジフォーラム推進委員会
   関西の成長のために、更なる活躍が期待される若手経営者と先輩経営者との 橋渡しを推進する。
6. グローバル・ベンチャーエコシステム委員会
   関西を世界有数のベンチャーエコシステムとする活動やベンチャーの１桁 アップ成長等を議論する。
7. サーキュラーエコノミー委員会
   サーキュラーエコノミーの実現に向けた課題の調査・研究と共に、個人・企業の行動変容に資する活動を行う。
8. 安全保障委員会
   わが国の安全保障を巡る諸問題の解決・緩和に向けた活動を行う。

なお、上記委員会がカバーしていないテーマで会員向けに情報提供が必要とされるものについては、適宜、代表幹事・事務局の自主企画として講演会・勉強会等を開催する。

また、関西財界セミナーの企画・開催、万博の機運醸成や成功への協力など、委員会活動以外にも当会の目的に資する取り組みを実行する。