関西経済同友会とは

令和3年度 事業計画

2021年4月1日

Afterコロナ時代へのパラダイムシフト
~次世代のため、そしてサステナブルな関西の成長のため~

一般社団法人 関西経済同友会

I. 基本認識

  • 新型コロナウイルス感染症は世界中で猛威を振い、関西、そして日本の社会・経済に深刻な影響を与え続けている。
    コロナ禍は、デジタル化の遅れを始めとする日本社会・企業がこれまで先送りにしてきた課題を浮き彫りにすると共に、命や健康の大切さ、人や地域・国家が支え合う共調・共同の重要性を我々が再認識する契機ともなった。
    国民全体が強い危機感を持ち、新たな価値観を共有化しつつある今、新時代の創造に向けたパラダイムシフトを進める大きなチャンスを迎えている。
  • そうした中、2025年に「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに大阪・関西万博が開催される。
    関西が、未来社会のあるべき姿を世界に先駆けて提示できるこの機を逃してはならない。
  • 戦後の荒廃が未だ癒えぬ1946年に設立された関西経済同友会は、時代の変化に鋭く切り込む政策提言集団として活動してきた。それから75年が経過した今、コロナ禍という新たな困難に際してもそのスタンスは揺らぐことなく、先人たちの意思をこれからも受け継いでいく。
    当会設立100年を迎える四半世紀後も見据え、「フェニックス」のように関西、そして日本が再生・飛躍を果たしていけるよう、我々は議論し、提言する。

<令和3年度事業計画『フェニックス』プランのコンセプト>

コロナ禍という大きな危機を乗り越え、以下の視点で「フェニックス」のように関西そして日本の新たな再生・飛躍を目指す。

  1. 「経済成長と社会課題解決」をトレードオフではなく不可分の関係で相互に作用して前に進むフェニックスの「両翼」とする。
  2. DX加速やコロナ禍による課題顕在化等の「時代変化・潮流」や「価値観変化」を的確に捉え、変革を加速させる「追い風」とする。
  3. 世代を超えて未来や次世代の視点から鳥瞰する「眼」を持つ。
イメージ

「PHOENIX」に込めた思い
経済団体として、イノベーションを起こし、デジタルトランスフォーメーションを進め、経済成長を求めるのは当然のことながら、個人の幸福とは何か、人々の価値観変化もしっかりと捉えて、コロナ禍という大きな危機を乗り越えたい。

II. 重点取組

1.次世代のための社会づくり

子や孫などの次世代が希望を持てる国・社会のあり方を調査・研究する。

  • DXや地球環境問題の本質を捉えた長期視点での社会課題解決や成長ドライバーの発見。
  • 個人の価値観変化や多様性を踏まえた企業経営や教育のあり方の追究。
  • 経済成長と財政の持続性を両立する政策や成長の妨げとなる規制改革などの検討。
  • 米中対立時代における地政学リスクを踏まえた日本の役割・安全保障・貿易政策の模索。
  • 今日的な視点での地方の自治・自立や役割のあり方の研究。

2.関西の持続的発展

関西の産業・企業がコロナ禍を乗り越え、持続的に発展する方策を調査・研究する。

  • 大阪・関西万博成功やMICE・IR誘致に向けた情報共有・発信。
  • 大学や海外との連携強化を含む関西のベンチャーエコシステム高度化の推進。
  • 大規模自然災害発生時の関西の都市インフラ・機能などの備えに関する調査・研究。
  • With・Afterコロナ時代の観光・文化・スポーツなどの産業の持続的発展に向けた調査・研究。

III. 活動指針

  • 全ての課題に対してSDGsの視点を取り入れる
  • 従来の枠組みに捉われずに自由・闊達に議論する
  • 若者や女性等の多様な意見を反映する
  • リアルとデジタルとのベストミックスを追求する

IV. 活動計画

上記の重点課題等に基づき、以下の委員会を設けて活動を行う。会員からの多数の意見を踏まえて、「女性活躍委員会」、「新時代の幸福・価値観等を研究するWG」、「関西都市強靭化委員会」、「広域観光委員会」を新設し、今日的な課題に関しても議論を深める。
尚、以下の委員会で取り扱わない事柄等で会員向けの情報提供が必要な場合、事務局企画として講演会・勉強会等を適宜開催する。

次世代のための社会づくり
1.企業経営委員会
価値観変化やデジタル化推進等を踏まえ、従業員のエンゲージメント向上を通じて企業の生産性向上、イノベーション創出に繋げる経営のあり方を議論する。
2.未来ビジネス委員会
新しいテクノロジーやビジネスモデルによる産業構造の変化を探り、次世代の成長ドライバーについて議論する。
3.環境・エネルギー委員会
環境に悪影響を及ぼす廃プラを中心とした廃棄物・排出物削減を可能とする循環型社会の実現について議論する。
4.安全保障委員会
米中関係を中心とした国際情勢が変化する中での世界・東アジアにおける日本の役割や安全保障を議論する。
5.経済政策委員会
コロナ禍を乗り越えて日本・関西経済が再生・飛躍するための経済政策(規制改革やデジタル活用等)および財政規律について議論する。
6.教育問題委員会
社会・経済・技術等の環境変化を踏まえ、現在の初等教育の課題を発見し、解決策を探る。
7.地方自治のあり方委員会【改称】
今日的な視点から地方の自治・自立について調査・研究する。
8.女性活躍委員会【新設】
日本、とりわけ日本企業での女性の更なる活躍に向けて、意識面も含めた課題を発見し、解決策を探る。
9.新時代の幸福・価値観等を研究するWG【新設】
時代とともに変化する幸福・価値観について調査・分析し、同友会内での連携を行う。
関西の持続的発展
1.大阪・関西EXPO委員会
大阪・関西EXPOおよびドバイ万博の進捗・動向を調査し、万博開催に向けた関西企業の参画意識を醸成する。
2.MICE・IR委員会
MICE・IR誘致の進捗・動向をフォローするとともに、新時代のMICE・IRのあり方を模索する。
3.グローバル・ベンチャーエコシステム委員会
関西のベンチャーエコシステムの実装・発展に向け、産官学連携の促進、国内外への発信・ネットワーク強化について議論するとともに、既存企業とベンチャー企業の連携を促進する。
4.関西ブリッジフォーラム推進委員会
関西のベンチャーエコシステムの実装・実践の場として、ベンチャー企業と既存企業の橋渡しを推進する。
5.関西都市強靭化委員会【新設】
関西で大規模自然災害が発生した場合の社会インフラ・機能などの備えを再点検し、今後必要な対策を調査・研究する。
6.広域観光委員会【新設】
大阪・関西の観光産業の持続的な発展に向け、西日本における広域・周遊型観光の今後の戦略について、調査・研究する。
7.スポーツ・健康委員会【改称】
スポーツを通じた健康増進や健康経営を調査・研究するとともに、スポーツの魅力を体験できる機会を提供する。
8.文化・芸術の力委員会【改称】
新たな価値を創造し経済を牽引する大阪・関西の文化・芸術の持続的な発展について調査・研究する。
9.大阪食文化委員会
大阪・関西の食の歴史を知り、地産地消などの観点から経済との関わりを調査・研究するとともに、会員間の交流の機会を提供する。
10.中堅企業委員会
劇的な環境変化の中で中堅企業が持続的に発展するための事例を学び実践する。
研鑽・交流
1.経営塾
変革・挑戦を続ける企業の経営者等による講演会を開催する。
2.海外交流委員会
ボストン・シンポジウム、関西・ハーバードフォーラムの企画・開催を担い、海外諸団体との交流を深める。
3.会員懇談会
時宜を得た講師の招聘による啓発活動を行うとともに、会員相互の交流を促進する。
4.若手の会
若手会員(50歳未満)の交流促進と同友会内の中核人材育成の場を担う。
全体・支援
1.総合政策審議会
同友会の発信力向上と提言実現を目的に、政治家や行政関係者と交流を深める。
2.調査企画部会
代表幹事の諮問を受け、適宜、諸問題・課題の検討を行う。
3.グローバル適塾支援委員会
グローバル適塾の会員増強ならびにカリキュラムの充実を支援する。
4.お水汲み祭り支援委員会
「堂島薬師堂節分お水汲み祭り」の支援を通じて水都大阪の都市魅力向上に取り組む。
5.経済同友会連携会議
全国の同友会と活発な交流を図り、連携を深め、提言力を高める。