前年度事業報告
一般社団法人関西経済同友会 平成27年度事業報告
一般社団法人 関西経済同友会
平成 27 年度事業計画は、「次世代のための『国』『地域』『企業』づくり~輝く日本・関西の創生 ~」をテーマに、「次世代への貢献」、「多様性の発揮」、「発信力の強化」を重点課題と位置付け、 次世代に課題を先送りすることなく、解決への道筋をつけ、持続的な成長を図ることがわれわれの 責任と考え、次代を見据えた政策提言を発信するとともに、地域及び企業活動の活性化に主体的 に取り組んだ。
【役員会等の運営状況】
当会は、平成 24 年 4 月 1 日に一般社団法人関西経済同友会に移行しており、一般社団・財団 法人法及び、新しい定款、規程・規則などに基づく運営を行った。
平成 27 年 5 月 14 日に通常総会を開催し、平成 26 年度決算を承認、平成 27 年度理事・常任 幹事・幹事を選任するとともに、理事会に推薦する代表理事・業務執行理事候補者を選出した。 定款及び役員等選任規程の変更を提案し承認を得た。また、幹事会での審議を経て、理事会で 承認された平成 26 年度事業報告及び公益目的支出計画実施報告書(抜粋)、平成 27 年度事業 計画書及び収支予算書等についても報告がなされた。
理事会は、4 回開催した。平成 26 年度事業報告及び公益目的支出計画実施報告書、通常総 会に付議する平成 26 年度決算案、定款及び役員等選任規程変更案の承認、代表理事・業務執 行理事の選定、職務執行状況の報告、平成 28 年度事業計画書及び収支予算書の承認など、一 般社団・財団法人法や定款などで定める項目を審議した。
本会の運営全般について意思決定を行う幹事会は、8月を除く毎月1回開催し、提言案等の審 議、月次収支報告などを行った。加えて、テーマを掲げての意見交換も適宜行った。常任幹事会 も、8月を除き月1回(3 月のみ 2 回)開催し、幹事会の議案の事前協議を中心に討議を行った。
また、通常総会パーティ、歴代代表幹事との懇親懇談会、放談会などを計 12回開催し、会員の 交流、親睦を図ることにも努めた。
【委員会等の活動(1):同友会全体としての活動や課題に取り組む委員会の活動】
① 総合政策審議会
発信力強化、提言などの実現性・実効性の向上などに向け、政治家との意見交換を行った。
② 調査企画委員会
諮問なし。
【委員会等の活動(2):主に特定事業の支援・実行に取り組む委員会の活動】
③ サイバー適塾支援委員会
サイバー適塾の会員増強やカリキュラムの充実等への支援を行った。
④ お水汲み祭り支援委員会
堂島薬師堂節分お水汲み祭り(2 月 3 日)等の開催を支援した。
⑤ 海外交流委員会
恒例の訪米代表団(10月24~31日)の派遣、第23回ボストン・シンポジウム(10月28日)の開催に 協力するとともに、委員会メンバーが参加した。また、ベトナム・カンボジア視察団(2月21~27日)を 派遣したほか、4回の講演会・視察・会合(6月25日、9月16日、12月8日、12月9日)の開催、来阪し た内外の政策担当者、海外交流組織との意見交換に努めた。 ・第23回ボストン・シンポジウム(10月28日)
「次世代をリードする日米」をテーマに、ハーバード大学ケネディスクール、ボストン日本協会と共 催。本会からは村尾和俊・䕃山秀一両代表幹事をはじめ総勢40名が参加。シンポジウム前後には ワシントン、ロサンゼルスで視察を実施した。
⑥ 芸術・文化委員会
講演会1回(10月2日)、視察・鑑賞会2回(7月31日、11月20日)、委員会2回(6月23日、1月29日) を開催した。また、平成26年4月1日に発足した「アーツサポート関西」(ASK)の活動を支援した。
⑦ 大阪「食文化」プロデュース委員会
講演会や食文化の体験を3回(7月31日、2月19日、4月20日)行った。
⑧ 関西広域インフラ・うめきた委員会
講演会1回(8月6日)、視察1回(9月15日)を行った。加えて、自治体や他の経済団体と共同で高 速道路網、高速鉄道網の整備を求める要望活動を行った。
⑨ 経済同友会連携会議
京阪神を中心に、中部はじめ他の経済同友会と連携し、以下の会合などを開催した。
・第2回西日本経済同友会代表者会議(7月17日 於:京都市)
西日本の18地区経済同友会から、代表幹事及び事務局長44名が参加し、「西からの地方創生 ~ひとが興す地域の未来~」をテーマに議論。1ひと(交流人口)の拡大・活用に向け、まち(観光) 等を活性化しよう 2ひと(定住人口)の維持・拡大に向け、しごと(雇用)を創出しよう 3政府は企 業・地域の自助努力をサポートする環境整備を の3点を訴える共同アピールをまとめ、発表した。
・第113回西日本経済同友会会員合同懇談会(10月16日・17日 於:奈良市)
・全国経済同友会代表幹事円卓会議(11月10日 於:福岡市) ・経済同友会との東西首脳懇談会(12月10日 於:東京都)
・第54回関西財界セミナー(2月4日・5日 於:国立京都国際会館)
関西経済連合会と共催し、京都・神戸経済同友会などの協力を得て、関西の経営者約250名を 含む、657名が参加した。「『次』のために『今』なすべきこと~多様な知と行動がつくるアジアの力 ~」をメインテーマに、次世代のための政治・経済、日本の安全保障とグローバルリスクへの対応、 アジアで活躍する「親関西」人材の拡大に向けて、新たな国土の発展に向けた広域観光振興のあ り方、健康・医療産業発展、健康社会実現に向けた挑戦、最先端技術と変わる経営の6つの分科 会に分かれ、2日間にわたって討議した。最後に、セミナー宣言をまとめ、発表。
・中部・関西経済同友会合同懇談会(平成28年4月5日 於:大阪市)
・京都・関西経済同友会懇談会(平成28年4月19日 於:大阪市)
・第29回全国経済同友会セミナー(平成28年4月14日・15日 於:岡山市)
全国の経済同友会との共同活動である「全国経済同友会地方行財政改革推進会議」では、震災 復興部会が岩手県(7月22日・23日)、宮城県視察(11月11日・12日)を実施した。3月10日・11日宮 城県南部被災地視察及び3月11日「東日本大震災追悼シンポジウム」(於:仙台市)も開催。集中 復興期間5年間を振り返り、「これからの復興の道筋」「専門高校の復興とIPPO IPPO NIPPON」などを議論した。 また、分権改革委員会は東京都、名古屋市で会合を開催(9月14日、2月22日)、地方創生、地方分権改革をテーマに議論を行った。
⑩ 70周年記念事業準備委員会
平成28年10月に開催する記念式典、70年史発行の準備を行った。
【委員会等の活動(3):国・自治体や企業、社会等への提言を主目的とする委員会の活動】
(国のあり方)
⑪ 安全保障委員会
講演会5回(7月27日、9月10日、10月14日、12月1日、4月22日)のほか、海外調査・国内視察など 精力的に活動した。9月19日の安全保障関連法の成立に際しては、委員長コメントを発表。安全保 障委員会のこれまで主張が具体化されたことを評価する一方、武力行使の事態に至らぬよう政府の 積極的・多角的な外交政策を要望した。
「第14回大韓民国調査団」(8月24日~26日)を編成し、韓国を訪問。韓国では、政府関係者、国 会議員、外交・安全保障政策関係者らと懇談。MERS、戦後70年安倍総理談話、北朝鮮から韓国へ の砲撃など不確定要素の中での訪問だったが、友好的な雰囲気の中、互いの見解が分かれる問 題についても率直な議論を行い、両国関係をより未来志向に発展させるため民間交流の活性化が 必要であることが改めて確認された。また、2月19日・20日には呉・江田島・岩国を訪問、海上自衛 隊呉地方総監部、幹部候補生学校、岩国航空基地などを視察した。
⑫ 経済政策委員会
4回の講演会(6月25日、8月3日、10月1日、5月11日)、宮城県の復興状況の視察(3月10日・11 日)を行った。
委員会での討議はタイムリーに行い、7月には提言「骨太の方針・日本再興戦略2015に対する提 言~次世代へ誇れる改革、迅速果敢な実行を~」、11月には提言「平成28年度予算・税制改正大 綱に望む~デフレ脱却の実現と、次世代の貢献に資する政策の着実な実行を~」をとりまとめ、記 者発表した。3月には2年間の委員会活動の成果として提言「関西の成長戦略~競争を勝ち抜き強 壮な経済を実現するための共創~」をとりまとめて、3月9日に記者発表し、関係各方面へ訴えた。
⑬ 新しい社会保障のあり方委員会
講演会3回(4月24日、7月13日、10月27日)の開催に加え、「デンマーク視察団」(9月28日~10月 5日)を派遣し、自治体・学校・施設・高齢者組織を訪問し、幸福度No.1を獲得するデンマークの実 情、国民意識を調査した。
わが国の社会保障の現状と課題の洗い出しを中心に研究した前年度の中間報告を深化させ、 提言「地域コミュニティでつくる新たな『支縁』社会~国民全員が社会保障の担い手に~」をとりまと めた。平成28年5月2日に記者発表した。
(地域の多様性・関西の強みの発揮)
⑭ 地方創生委員会
講演会3回(8月3日、11月30日、12月14日)と国内視察4回(10月29日、11月12日・13日、1月25 日・26日、3月4日)など精力的に活動した。
委員会での討議を重ね、提言「『オール&アラウンド関西』でネットワークを充実させ、地方創生を 進めよう!」をとりまとめた。平成28年4月27日に記者発表した。
また、健康医療分科会は、3回の講演会(9月3日、2月15日、3月1日)を開催した。得られた知見 は、平成28年度に継承していく。
⑮ 関西・大阪のあり方委員会
講演会は1回(9月15日)開催。大阪府知事・大阪市市長ダブル選挙(11月22日)に際しては、委 員会が中心となり、立候補予定者に「大阪府政・市政に関する公開質問状」を送付、その回答を11 月2日に本会ホームページに掲載した。更に、11月4日には、柳本顕氏と吉村洋文氏を招いた「大 阪市政に関する政策討論会」、栗原貴子氏と松井一郎氏を招いた「大阪府政に関する政策討論 会」を報道関係者にも公開の上で開催、大阪の成長、発展を図るためにどのような政策に取り組む のかを広く明らかにするよう努めた。
また選挙後も、委員会が中心となり、本会のこれまでの提言を踏まえた要望書「松井大阪府知 事・吉村新大阪市長に望む」をとりまとめた。12月14日に、村尾・䕃山両代表幹事、加藤委員長が 松井知事、吉村市長を訪ね手渡し、その実現を求めた。
⑯ 関西2019・20・21委員会
講演会4回(9月11日、9月17日、11月5日、12月22日)の開催に加え、「イギリス視察団」(11月15 日~20日)を派遣し、組織委員会やクリエイティブプログラマー、観光ビジネス共同体を訪問し、ロン ドンオリンピックでの文化プログラム成功の要因やレガシーづくりなどを調査した。また、12月25日に は、京都・神戸経済同友会幹部と東京オリンピックやワールドマスターズゲームズ2021に向けた取り 組みについて意見交換した。
委員会での討議を重ね、提言「『世界に冠たる生涯スポーツ&文化エリア=KANSAI』を目指し て」をとりまとめた。平成28年5月10日に記者発表した。
⑰ 関西MICE・IR推進委員会
「ビジネスモデル検討分科会」「PPPプラットフォーム検討分科会」「MICE振興分科会」「ウエル ネス・リゾート研究分科会」の4分科会を設け、精力的な活動を行った。2回の講演会(10月14日、11 月16日)に加え、「シドニー・メルボルン視察団」(1月8日~12日)を派遣し、官民連携による地域開 発、MICEや各種イベント誘致体制などを調査した。委員会会合は22回開催した。 「大阪・関西IRの経済効果の試算について」もまとめ、3月2日に記者発表した。
(強い企業づくり・人材の多様性)
⑱ 企業経営委員会
講演会(7月30日、10月22日)や視察(7月7日)の開催に加え、「米国西海岸企業視察団」(8月29 日~9月5日)を派遣し、激しい環境変化の中で次々とイノベーションを生み出す先進米国企業や持 続的に成長する日本企業を訪問し、その背景や工夫を調査した。
昨年度の中間報告に加え、委員会での討議を重ね、提言「『理念』と『対応力』の両輪~持続的 成長企業がしていること~」をとりまとめ、3月4日に記者発表した。
⑲ 中堅企業委員会
講演会(7月24日、10月5日)に加え、11月13日には、恒例の「両代表幹事と語る会」を開催した。
昨年度の成果に加え、委員会での討議を重ね、提言「『匠の技』と『おもてなし』で顧客価値創造 経営の推進」をとりまとめた。平成28年4月20日に記者発表した。
⑳ 最先端技術ものづくり委員会
講演会は3回(7月29日、9月7日、11月24日)開催。関西財界セミナーでも精力的な議論を行った。
委員会での討議を重ね、提言「『匠の技』と最先端技術が融合する関西クラスターの構築」をとりま とめた。
平成28年4月4日に記者発表した。
㉑ アジア人材委員会
講演会4回(8月6日、9月30日、11月24日、12月15日)の開催に加え、「シンガポール・ベトナム・フィリピン視察団」(11月29日~12月5日)を派遣し、政府機関や企業を訪問し、各国の人材戦略、人 材育成、企業での取り組みを調査した。
委員会での討議を重ね、提言「人材鎖国日本、このままでいいのか? ~日本は、内なるグロー バル化を推進し、アジアとの共存共栄を図れ~」をとりまとめた。平成28年5月13日に記者発表し た。
【委員会等の活動(4):会員相互の交流、自己啓発を主目的とする委員会の活動】
㉒ 時事問題研究会
世界政治経済動向、グローバル競争、外交政策、CO2削減など企業経営者の関心が集まるテー マをタイムリーにとらえ、4回の講演会(9月2日、11月17日、2月24日、4月7日)を開催した。また、現 場・現物を重視し、2回の企業訪問(9月15日、4月21日)も行った。
㉓ 会員懇談会
時宜を得た講師を招き、4回(7月6日、7月27日、10月19日、3月18日)の講演会を開催し、会員の 相互研鑽・交流を図る活動を行った。
㉔ 若手の会
企業視察や先輩経営者による講演会、京都経済同友会の若手会員との交流会等を5回(6月23日、 7月29日、10月13日、11月30日、4月6日)開催し、次代の経済人としての資質向上を図った。
また、平成 27年 4 月 1 日から 5 月 13 日までは、前年度の事業計画を引き継いで、前委員会の 提言などの発表(5 件)や、中部経済同友会との合同懇談会(平成 27年 4 月 8 日)、京都経済同 友会との懇談会(平成 27年 4 月 13 日)なども行った。
【他経済団体などとの連携強化~本会の更なるプレゼンス向上に向けて1】
他の経済団体や自治体などと共同し以下の要望等を発表、実現を働き掛けた。 ・関西創生のための高速道路ネットワークの早期整備に関する要望(関西高速道路ネットワーク推 進協議会、6 月実施) ・政府機関の京都府、大阪府、兵庫県への移転実現に関する要請書(京都・神戸・関西経済同友 会、12 月実施) ・関西創生のための高速道路ネットワークの早期整備に関する要望~大阪湾岸道路西伸部・淀川 左岸線延伸部~(関西高速道路ネットワーク推進協議会、1 月実施)
また、下記のように、他団体と共同で政策決定者や内外のリーダーとの懇談会も開催した。加え て産業振興、都市魅力向上でも連携を図った。
・田中 新財務事務次官との懇談会(8 月 3 日)
・黒田 日本銀行総裁との懇談会(9 月 28 日)
・財務省幹部との意見交換会(11 月 16 日)
・菅原 経済産業事務次官との懇談会(12 月 8 日)
・平成 28 年大阪新年互礼会(1 月 4 日)
・関西広域連合との意見交換会(1 月 28 日)
・大阪府・市・経済 3 団体首脳による意見交換会(2 月 9 日)
・水と光のまちづくり推進会議、大阪観光局事業の運営に関するトップ会議(7 月 7 日、2 月 9 日)
・関西健康・医療創生会議(7 月 23 日、12 月 22 日)
・シンポジウム「国土の新たな発展の姿を考える~スーパーメガリージョンの形成に向けて~」(2 月 16 日、リニア中央新幹線全線同時開業推進協議会)
・関西国際観光推進本部設立会合(3 月 24 日)
大阪府政・市政改革への協力も行った。とりわけ大阪府からの要請を受けて、11 年目となる「大 阪府若手職員民間企業研修」を実施、会員 26 社の協力を得て 42 名を受け入れた。夢洲・咲洲地 区への企業誘致にも協力した。
このほか、「なにわ淀川花火大会」「ミナミ活性化協議会」「大阪スタイリングエキスポ 2015」「『百 舌鳥・古市古墳群』世界遺産登録を応援する府民会議」など、大阪府・市や他団体と協力し、大阪 の魅力・賑わいづくりにも継続的に取り組んだ。
本会が提言して設立された「関西サイエンス・フォーラム」「関西キャリア教育支援協議会」「スポ ーツコミッション関西」「アーツサポート関西」(ASK)などの活動に対しても支援を行なった。
【発信力の強化~本会の更なるプレゼンス向上に向けて2】
報道機関への情報提供をはじめ、事業を広く一般に知らしめるとともに、理解を訴えるために、 下記をはじめ、様々な活動を行った。
○代表幹事記者会見を 11 回開催し、記者からの質問に応じるとともに、本会の主張への理解を 訴えた。大阪経済記者クラブとの懇親パーティ(7 月 10 日)なども開催し、発信に努めた。
○報道機関からの要請に応じて代表幹事コメント 14 件を発信した。また、11 月の大阪府知事・大 阪市長ダブル選挙の結果を受け、要望書「松井大阪府知事・吉村新大阪市長に望む」をとりまと め、12 月 14 日に知事・市長を訪問、建議した。
○本会の活動の概要を掲載する会報を年間 9 回発行し、会員及び行政・自治体・報道機関など に提供した。
○ホームページへの掲載を通じて、提言をはじめ本会の活動を積極的に発信した。
平成28年5月16日
通常総会報告