年頭にあたって
あけましておめでとうございます。
皆様、健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
さて、本年の日本の最大の課題は、政治の不安定さの解消と思われます。政治が国民生活に不安感を与えることのないよう、国会では政争ではなく政策論議が十分に尽くされるべきです。昨今揺らぎが目立ち停滞感のある日米関係の改善や近隣諸国への対応など外交・安全保障面の再構築、更には、社会保障制度と税制の抜本的な改革などにより社会に充満する不安の払拭と安心できる社会環境の樹立も、重要な課題です。
一方、日本経済は、外需を中心に持ち直しつつあるものの、内需の自律的回復にまでは至らず、相変わらず予断を許さない状況が続いています。早期のTPP参加とEPA・FTA拡大による経済のグローバル化対応も含め、政府の一層の対策が求められます。
本年は4年に1度の統一地方選挙が行われます。地域主権を国から勝ち取るためにも、地方の自立・自律が不可欠ですが、そのためには住民が志の高い議員を選ぶなど、地方議会を監視してゆかなければなりません。大阪市・大阪府では、本年後半から来年にかけて市長・知事が任期満了を迎え選挙が予定されますが、市政・府政のより一層の改革が求められます。また、昨年発足した関西広域連合が将来の道州制に結びつくよう、中央省庁の出先機関の早期移管を強く働きかける必要があります。
また、関西地域活性化のためには、インバウンドを中心とした観光振興が関西広域連合などにより関西全体で推進されることが不可欠です。外国人が日本で活躍できる環境づくりや関西地域が持続的に成長するために必要な未来産業の振興も、強化されなければなりません。
日本・関西にはこのように多様な課題が山積していますが、本年も関西経済同友会らしく、それらに対して会員相互の侃侃諤諤の議論をベースに取り組んで参りたいと存じます。
関係各位におかれましては、引き続きのご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。
以上
社団法人 関西経済同友会
代表幹事 山中 諄
代表幹事 大竹 伸一