教育基本法の早期改正を求める
関西経済同友会では、従来より教育問題をテーマに、調査、研究、提言活動を行なって参りました。2003年12月には、別添のように「国づくりの根幹としての教育を考える~教育の基本の見直しと自由化を~」と題する提言書(以下、「提言書」)をまとめ、河村文部科学大臣(当時)を始めとして、関係各方面にご提示致しました。
当会としましては「提言書」にて、より良い教育の実現に向けて、教育基本法の改正を強く求めた次第でありますが、最近の同法の改正に関する動きを踏まえ、この機に改めて以下の通り意見を申し上げる次第であります。
記
1.与党協議会中間報告における教育基本法の改正点は、概ね当会としても是とするところでありますが、「提言書」を踏まえつつ、当会としての若干の問題意識を以下に列記致しますので、ご検討頂ければ幸いに存じます。
(1)教育の目標における涵養すべき態度に関して
「提言書」では、教育の目的に「日本を愛し、日本の歴史・伝統・文化・自然を尊重し、徳と公共心を持ち情操豊かな国民を育成すること」を付加する旨提言しておりますが、その観点から次の二点を提起致します。
①議論となっていた「郷土と国を愛する」或いは「大切にする」の表現の問題につきましては、前者が望ましいと考えますので、このたびの与党内合意に賛同するとともに、国会での法案の早期成立を期待いたします。
②尊重すべき事項としては、「伝統文化」に加え、「歴史」も盛り込むべきと考えます。
(2)教育の目標に「道徳心の涵養」を加えることには賛成であります。その重要性に鑑み、かつその実現を担保すべく、教育基本法に「道徳教育」という一つの条項を設け、道徳教育の重要性を謳うとともに、特に道徳教育の重要な一翼を担うべき家庭における保護者による道徳教育遂行の責任を明確化することが望ましいと考えております。
2.教育基本法改正の必要性は、中央教育審議会等で議論されてきた通りかと存じます。
教育改革には時間を要するものであるからこそ、その改革の拠所となる教育基本法の改正は、早期に実現されるべきものと考えますので、是非とも速やかに与党内の調整を完了され、国会での法案成立が早期に図られるよう御尽力頂きますようお願い致します。
以上
2006年4月1日
社団法人 関西経済同友会
代表幹事 松下正幸
森下俊三
教育改革行動委員会 委員長 更家悠介