大阪・関西を組込みソフト産業の一大集積地に!
2007.03.01update
- 近年の日本経済の発展を牽引している、自動車、情報家電、携帯電話、デジタルカメラなどの機能や性能は、搭載されるソフトウェア(組込みソフトウェア)の品質・性能に大きく依存し始めている。組込みソフトウェアは、今後、あらゆる産業と密接に関わることとなり、その開発需要と重要性は、ますます拡大すると予測される。
- しかしながら、経済産業省の報告によると、日本の組込みソフトウェア技術者は、9万人以上も不足している。ソフトウェア開発の国際的な競争の激化が、技術者の地位・賃金を総体的に低下させ、スキルの高いソフトウェア技術者のモチベーションの低下と新たな技術者のなり手の減少を招いている。
- また、昨今の組込みソフトウェアの開発規模は急速な勢いで巨大化・複雑化し、技術者の不足も相俟って、組込みソフトウェアに関するトラブルが急増している。そのことが、製品のリコールにまで発展することもあり、企業経営への深刻な影響も顕在化しつつある。
- 以上のことから、質と量の両面から組込みソフトウェア技術者を育成することが喫緊の課題であり、そのためには、独立法人化された大学と産業界の有機的な連携により、体系的な教育カリキュラムを確立し、技術者の育成に取り組まなければならない。併せて、開発環境の標準化の推進、技術者の社会的地位の向上や職業としての魅力向上も重要な課題である。
- 幸い、大阪・関西には、優秀な大学、時代の先端をいく情報家電メーカー、情報系中小企業、専門学校が集積しており、ソフトウェア産業に対するポテンシャルが高い。また、ソフトウェア開発のグローバル化が進む中、アジアとの交流が深い大阪・関西には大きなアドバンテージがある。我々は、これらの強みを最大限に活かし、大阪・関西を組込みソフトウェア産業の一大集積地とすることで、関西地域の経済活性化は勿論、日本の産業力強化にも貢献していきたいと考えている。
平成19年3月
社団法人 関西経済同友会
ソフト産業振興委員会