代表幹事コメント

年頭にあたって

2025.01.01update

代表幹事 宮部 義幸
代表幹事 永井 靖二

  • あけましておめでとうございます。

  • 日本経済は、いわゆる「失われた30年」で続いたデフレ経済から脱却し、付加価値や生産性を高めながら、物価上昇を上回る賃金上昇を伴った「新たな成長ステージ」への移行に向けて歩み始めなければなりません。本年も「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への移行をさらに加速させ、地域経済の活力を高めつつ、国外からも信頼される安定した経済基盤を構築することが求められます。

 

  • 一方、世界情勢に目を向けると、ロシア・ウクライナ戦争の長期化や中東情勢の緊張など、
    平和への道筋が見えにくい状況が続いています。米国ではトランプ大統領が就任し、対中政策など外交面での新たな局面を迎えるなど、わが国を取り巻く環境は大きな変化を迎えています。 さらに、気候変動、自然災害の激甚化、エネルギー資源の安全保障、循環型社会の実現と   いった複合的な課題が各国経済や社会に波及しており、わが国としても知恵を結集し、多国間協議の推進やサプライチェーンの安定化など、平和で持続可能な社会を目指す取り組みを一層強化する役割を果たさなければなりません。新エネルギー産業が多く立地している我々関西としても、世界に大きな役割を果たすことが求められています。

 

  • わが国では、人口減少社会を前提に、新たな成長に向けた産業構造へと変革していく必要があります。そのために、イノベーションに積極的に取り組むとともに、すべての人が最大限活躍できるように、新たな教育/雇用の在り方に取り組む必要があります。そして、防災・減災、事前復興を意識し、首都圏一極集中から分散型社会への移行など、わが国全体で取り組むべきことが山積しており、経済界としても、責任感を持って取り組んでいく必要があります。

 

  • 本年はいよいよ2025年大阪・関西万博の開幕を迎えます。各地からの多数の来訪者を大阪・関西の地に迎え入れるインフラ・施設が着々と整備され、動き始めています。
    私たちは、成長著しいグローバルサウスなど、これまで交流することが少なかった多くの国々と交流する機会を持つことができます。これらの好機を観光や文化の面だけでなく、ビジネス面でも最大限に活用し、大阪・関西が持続的に 発展していく姿を力強く示していく年としたいと考えています。

 

  • 経済人が個人の立場で参画する関西経済同友会は、新しい時代を切り拓く政策提言集団として活動して参りました。これからも社会的責任を果たすステークホルダーとして、リスクをチャンスと捉えて、政策提言と実践活動を通じ、日本の未来を切り開く原動力となるべく努力してまいります。本年も皆様のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

以上

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