総合経済対策の閣議決定に際して
2023.11.02update
- 本日、物価高対策を主な柱とする総合経済対策が閣議決定された。30年間続いてきた「コストカット型経済」を脱し、賃金と物価が安定的に上昇する好循環を実現する、という岸田首相の強い意志の表れと受け止めている。
- 今般の対策は、食料・エネルギーをはじめ生活物資の価格高騰に苦しむ世帯に対して安心感を与えるものであり、支援が迅速に届けられることを強く望む。一方で、「急激な物価高から国民生活を守る」という政策目標達成の手法については、国民が十分に納得するほどの議論と説明が尽くされたとは言い難い。政府は、所得税・住民税の減税措置を中心とする対策 効果の科学的検証を行い、今後の政策判断に活かすべきである。
- これからは、総合経済対策の裏付けとなる補正予算編成が進められることになるが、本来、補正予算とは緊要となった経費の支出を行う場合などに限られるものである。我が国の財政問題を安易に先送りすることのないよう、規律ある議論が行われることを求める。
- 日本をコストカット型経済から脱却させ、成長型経済を実現する主役は企業である。我々経営者は、「人への投資」や「未来への投資」が事業継続と持続的成長に不可欠な要素であるとの認識を持ち、進取果敢に挑戦を続けねばならない。
以上
一般社団法人 関西経済同友会
代 表 幹 事 角元 敬治