令和4年 年頭にあたって
あけましておめでとうございます。
昨年を振り返ると、新年を迎えて間もなく2回目の緊急事態宣言が発令され、その後も大半の期間で緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が適用されるなど、新型コロナウィルス感染症の拡大によって、社会経済活動が長く停滞した年となりました。
コロナ禍が浮き彫りにした課題は、感染症対策や医療体制問題だけではありませんでした。経済・経営面でも、多くの企業・経営者が、デジタル化や働き方改革、サプライチェーンの分散など、これまで危機を感じつつも先送りしてきた構造改革を待ったなしで進めざるを得なくなりました。更には、地球規模で人々の生命が危機にさらされたことで、気候変動や環境問題・食糧・貧困・人権など、世界中で様々な社会課題を強く意識するようになってきました。コロナ禍を経験した我々が大切にすべきは、たとえ状況が改善したとしても、このような危機感や課題認識を決して忘れず、正面から向き合い前進し続けるということです。
今年こそは、コロナ禍から力強く再生することを心から期待します。ワクチン接種が進んだこともあって、ここ数か月は新規感染者数も落ち着いてきました。足元では新たな変異株の感染拡大の懸念はあるものの、製造業の業況判断指数が2019年6月以来のプラスに転じるなど、徐々に明るい兆しが見え始めていると思います。そして、多くの人々がSDGsを認識し、様々な課題や環境・価値観の変化を危機と捉えるのではなく、好機として捉えるようにもなってきています。社会課題をビジネス化しようとするスタートアップが、新たなビジネスチャンスに目を輝かせ、元気で活気づいていることを肌で感じています。
更に、大阪・関西においては、2025年に「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする万博が開催されます。未来社会の実験場となる万博をスプリングボードとし、社会課題の解決と経済の成長の両立、そして持続可能な未来社会の姿を関西から世界に示せるよう、当会も尽力したいと思います。
我々、関西経済同友会は、新しい時代を切り拓く政策提言集団として活動して参りました。大きな岐路に立つ今、まさにコロナ後の新たな時代を切り拓くべく、今後とも我が国の発展の一翼を担って参りたいと思います。関係各位におかれましては、引き続きのご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上
代表幹事 古市 健
代表幹事 生駒 京子