第48回関西財界セミナーを開催
・555名が参加。宣言を採択。
第48回関西財界セミナー2月4・5日
自ら動く、果敢に挑む。
- 変化への対応を巡り議論 -
関西経済同友会は、2月4・5日の両日、関西経済連合会と共催で、第48回関西財界セミナーを開催した。経営者258名を含む555名が参加し、「関西が時代を拓く ~機に臨み、変に応ずる~」をメイン・テーマに、政権交代という大きな変化のなか、外交、経済政策、企業経営などを巡り、今回も、関西らしく本音の議論が展開された。
セミナーでは中野健二郎 本会代表幹事が開会挨拶を行い、多様な企業が集積する関西が、変化する世界経済の中で技術革新を含め、時代をリードしたいというポジティブな思いから今回のテーマを「関西が時代を拓く」としたこと、そして、現在の世界、日本の情勢を冷静に分析し、企業人として、大きな変化の中で、「自らが動く」ことの大切さについて述べた。続いて下妻博 関西経済連合会会長が主催者問題提起を行った。下妻会長は、「世界第三位の経済大国・日本」を閉塞感が覆っているが、その元凶として、人口減少や財政の自由度喪失、デフレトレンドに有効な対策を講じてこなかった「リーダシップの欠如」に論及し、これまで幾度となく厳しい状況に直面したが、その度ごとに乗り越えてきたこと、困難な課題だからこそ、個々の知恵を結集し、関西は立ち向かってゆく気概とともに新しい時代を切り拓いてゆくことの必要性を訴えた。
パネル討議は、山中諄 本会代表幹事が議長を務め、嘉田由紀子 滋賀県知事、高野孟 インサイダー代表取締役兼編集長、水越浩士 神戸商工会議所会頭をパネリストにより、①鳩山政権の政策評価と今後のあり方、②関西の活性化策の2点を中心に議論を展開した。
続いて「関西財界セミナー賞2010」授与式を行い、大賞に阪神電気鉄道が、特別賞にKOBE鉄人PROJECT、食博覧会協会、ロボ・ガレージ 代表取締役 高橋智隆氏に特別賞を、そして、輝く女性賞に、ブルーベリーフィールズ代表取締役 岩田康子氏、クラッシー 代表取締役 植田貴世子氏、マザーネット 代表取締役 上田理恵子氏、神戸フィルムオフィス 代表 田中まこ氏が選ばれた。
4日午後と5日午前は、「環境先進地域・関西」「アジア・太平洋地域の安定・発展に向けた日本の外交力」「新しい政治のあり方」「地域戦略としてのインフラ整備のあり方」「経済政策のあり方と関西の産業成長戦略」「企業の経営戦略」「これからの人材戦略と雇用のあり方」の7つの分科会において活発に議論が行われた。
5日の午後は、ジョン・V・ルース駐日米国大使が「イノベーションと起業家精神のあり方」をテーマに特別講演。「日本はあちこちに起業家精神があふれる『眠れる巨人』だ。失敗を恐れてはいけない。」とエールを送った。
続いて、顧問団を代表し、野村明雄大阪商工会議所会頭は、2日間の議論について「変革を図ろうとする新政権への期待とともに、いまだに進むべき道が具体化されていないことの不安が共通の認識だった。もう一度、“新しい坂の上の雲”を目指して力強く進むために政治も経済もこれからが正念場。悲観論になる必要はない。これから日本企業の強味を存分に活かし、次の10年に向け自信をもって行動し、関西が時代を拓くことを確信したい。」と所感を述べた。
最後に2日間の討議を総括する宣言を採択。「研究開発などへの重点投資で競争力を強化、アジア市場など新たな需要を取り込む」「環境関連産業が集積する強みを生かし、関西の環境先進性を国内外に発信する」「空港・高速道路・港湾などのインフラ整備を一体的に進め、世界から人を呼び込む」「地域主権型の道州制実現に向けた一歩として関西広域連合の早期設立を支援する」など、関西財界人としての決意を示すとともに、政府には、経済成長戦略や日米同盟の深化など、新政権による改革推進への期待を述べた。